ホットタオルでホッと一息

美容院に行くと、
いつもシャンプーの後にしてくれるのが
ホットタオルを首の後ろに当てるというサービスです。

先日も、やってもらったのですが、
これがいつも以上に心地よく、
うっとりしてしまいました。

「いつもと同じ?」と思わず聞いてしまいましたが、
ただ温めたタオルを当てているだけとのこと。

このホットタオルの効能は、
簡単に言うと、
後頭部下の『ぼんのくぼ』と呼ばれる延髄部が温まることで、
血液循環が良くなることにあります。

ホットタオルは、徐々に冷めていくので、
最初の熱刺激によって高まった筋肉の緊張が、
タオルの温度の低下とともにゆるみ、
血管が拡張して血行が良くなるのです。

おかげで、長時間のパソコン使用で
凝り固まっていた私の首や肩もほぐされて、
その快適さが倍増して感じられたのでしょう。

ホットタオルを当てることで、
血液とともに、免疫力の源であるリンパ液の流れもスムーズになり、
自然治癒力を高める効果が期待できるので、
頭痛、歯痛、関節炎などにも効果があるとされています。

パソコンやスマホの長時間使用によって、
肩こりの他に、眼精疲労も起こりやすくなりますが、
目の上にホットタオルを乗せて血行を促進させることで
症状緩和の効果があります。

目の充血が解消されるだけでなく、
血行不良が原因でできる目の周りのクマの解消も期待できます。

お湯に浸して絞っただけのホットタオル、
お湯でなくても、水で濡らして絞りレンジでチンしても簡単に
作ることが出来ます。

自分で簡単にできるホットタオルを使った健康法や美容法。

正しい方法で、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。


三寒四温は冬の季語

日差しの明るさに、
春は確かに近づいていると感じられますが、
この季節、とにかく天気の変化が激しいですね。

昨日は、20℃近くまで気温が上がったのに、
今日は、10℃にも届かなかった、
そんなことも、珍しくはありません。

この時期に、よく耳にするのが
『三寒四温』という言葉です。

一週間のうち三日寒い日が続くと、
その後、四日は比較的温かい日が続くという意味で、
そのような日々を繰り返しながら
本格的な春を迎えるのだととらえている人も
多いのではないでしょうか。

実は、この言葉、
季節の変わり目で変化しやすいこの時期の気候を表すものではなく、
だんだん暖かくなるという意味もありません。

シベリア高気圧からの寒気の強弱により、
中国北部や朝鮮本島などに
顕著に表れる現象を指す言葉で、
日本では年に1回あるかないか、
しかも1~2月ごろに表れる気候のことなのです。

そのため、俳句の世界では、
『三寒四温』は春の季語ではなく、
冬の季語とされています。

春先の寒暖の変化に関係するのは、
この時期、活動が最も盛んになる
日本付近の温帯低気圧です。

この低気圧には、
日本海低気圧と南岸低気圧があります。

日本海低気圧は、
日本海を北東に進みながら発達するもので、
この低気圧が急速に発達すると、
風が急に強まり、「春一番」となります。

一方、南岸低気圧とは、
日本列島の南岸を沿うようにして北東に進むもので、
立春以降に主に関東地方で季節外れの雪を降らせるのも、
この低気圧の影響です。

今の時期は、
この二つの低気圧のせめぎあいによって
不安定な天候がもたらされます。

さらに,日本海側と太平洋側で発達した2つの低気圧が、
列島を挟んで北東方向に進む『二つ玉低気圧』
と呼ばれるものがあります。

この低気圧は広範囲に荒天をもたらし、
山や海で多くの遭難事故を起こすこともあります。

これらの低気圧がいつ生じ、
どのように発達するかは、
決して日本列島の周辺だけで決まるのではありません。

見上げる空は一つで、世界はつながっています。

気象状況に関しても、
地球規模でとらえていかなければならないことがらなのです。


ココアの健康メモ

チョコレートやココアの原料となるカカオ豆には、
カルシウム、亜鉛、マグネシウム、鉄分など、
ミネラルがバランスよく含まれています。

原料として加工したカカオ豆に
砂糖や脂肪分などを加えれば
チョコレートになり、
脂肪分を取り除いて粉末にすれば、
ココアになります。

コーヒーやお茶が、
抽出した液体を飲むのに対して、
ココアは、
加工されたカカオ豆の粉末を
そのまま溶かして飲むので、
含まれる栄養をすべて摂ることができる
メリットがあります。

ココアには、
体内の活性酸素を取り除く
抗酸化作用でよく知られている
ポリフェノールを豊富に含んでいます。

カカオポリフェノールの抗酸化力は、
赤ワインの2倍、紅茶の40倍とも言われています。

またココアには、
脳内物質のセロトニンに働きかけて
リラックスさせる作用があると言われている
テオブロミンも含まれています。

遊離脂肪酸のカカオFFA(Free Fatty Acid)である
オレイン酸とリノール酸は、
胃潰瘍の原因とされている「ピロリ菌」を
殺菌する効果があります。

ココアの食物繊維であるリグニンには、
便通促進、コレステロール低下作用、
血圧低下作用などがあります。

このようにバランスの取れた
健康栄養食品であるココアは、
忙しい現代人が、カラダによいものを
サッと摂ることができる
ピッタリの一品といえます。


炭水化物は悪者なの?

『炭水化物抜きダイエット』に
『低インシュリンダイエット』、
最近話題の『ケトン体ダイエット』。

これらのダイエットは、
炭水化物の摂取を制限することにより
体重を減らすというものです。

炭水化物と言えば、
タンパク質・脂質と並んで三大栄養素と呼ばれ、
人間が生きていく上で必要不可欠な物であると、
学校の家庭科の時間に習ったはず…。

その炭水化物の摂取を制限すると言われると、
なんだか炭水化物がダイエットの敵、
悪者であるかのような感じがしますね。

そもそも、炭水化物とは何なのでしょうか。

炭水化物は、
糖質と植物繊維に分けることができ、
糖質は、分解されてブドウ糖となり、
体や脳の活動に欠かせない
エネルギー源となります。

炭水化物のカロリーは、
脂質の半分以下しかありませんが、
脂質やタンパク質よりも消化されるのが早く、
消費されないと脂肪として
体内に蓄積されるのです。

それだけ糖質が、
人間の体にとって必要なものであるとも言えるのですが、
この脂肪を体内に溜め込むことが肥満の原因となり、
ダイエットの観点から問題視されるわけです。

この体内に脂肪を溜め込む働きをするのが、
インシュリンというホルモンです。

そこで、脂肪をため込んだ肥満解消のために、
このインシュリンの分泌を抑えることが
必要だということになります。

『ケトン体』は、
体内のブドウ糖が減少した時、
その代償エネルギーとして、
肝臓で脂肪が分解されて生成される物質です。

上記のダイエット法は、
まだ研究者の間でも賛否両論があり、
研究半ばであるという感が拭えません。

脳のエネルギー消費は、
体全体の消費量の20%にもなりますが、
そのエネルギー源となるのは、
唯一ブドウ糖だけで、
不足すると、集中力や思考力が低下したり、
無気力になって、日常生活にも支障をきたすこともあります。

このように、
生命を維持するための
必要不可欠な栄養素である炭水化物を、
極端に減らしたり、摂らなかったりすることは、
たとえ一時的にダイエット効果が得られたとしても、
体にとって本当に良いことであるとは言えないでしょう。

新しいダイエット法を試してみる時も、
まず、その理論ややり方をしっかり理解した上で
実践することが大切でしょう。


花も実もある話

他の木の花が
ようやくつぼみを膨らませ始めて来る頃、
いち早く咲いて、
春の訪れを知らせてくれるのが梅の花です。

皆さんの近所にも、
その馥郁(ふくいく)※1とした香りを漂わせている場所が
あるでしょう。

庭の1本の木であることも多いでしょうが、
全国各地の梅の名所には
数千本を超える数の木が植えられている
『梅林』『梅園』と呼ばれる場所が少なくありません。

このように梅が広い土地に
数多く植えられているのには、
その歴史と深い関わりがあります。

梅は、奈良時代に中国から伝来したものですが、
中国では、花を観賞するよりも、
その実を漢方薬の鳥梅や、
塩漬けにして利用していました。

日本に入ってきた梅は、
まずその可憐な花が注目され、
愛でられていましたが、
平安時代には、
梅干しが作られ、
鎌倉時代には、
茶菓子として供された記録が残っています。

梅干しの効用は、
現代でも広く知られている所ですが、
戦国時代にも、食欲を促進し、
息切れを防止するものとして、
食されていたようです。

江戸時代になると、
梅干しが庶民の食べ物として広く普及し、
多くの藩が梅の栽培や梅干しづくりを奨励し、
保護政策をとりました。

徳川御三家として知られる、
水戸藩・紀州藩・尾張藩も同様で、
中でも、紀州・和歌山県は
『南高梅』というブランド梅を初めてとして、
今も梅の収穫量日本一を誇っていますし、
水戸の偕楽園は、
1003000本の梅を見ようと
毎年全国から訪れる多くの観光客で賑わいます。

現代では、
観賞を目的として品種改良された花梅、
実を採ることを目的とした実梅、
合わせてわせて300種以上の梅の木があると
言われていますが、
いずれにしても、私たち日本人にとって、
梅は、長い間、身近で、愛すべき存在だったのですね。

※1馥郁(ふくいく):よい香りがただよっているさま。