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甘い砂糖で虫歯になる理由

子供の頃、「甘いモノを食べると虫歯になるよ」と大人から注意されたこと
ありませんでしたか?

常識としては知ってはいるものの、虫歯ができてしまう理由を
どのくらいの方がご存知でしょうか?

歯の構造は2層構造になっています。

一番外側は、無色で半透明のエナメル質という硬い組織でおおわれ、
その内側には黄色がかった象牙質があります。

歯の色は象牙質の色ということになります。

象牙質には、多くの細い管が走り、その中を神経が通っています。

虫歯は、歯を守る城壁ともいえるエナメル質が酸で溶かされて、
象牙質が無防備になった状態をいいます。

エナメル質を溶かす元凶は、虫歯菌の存在です。

10数種類いるとされてい虫歯菌の中でも、特にミュータンス菌がやっかいです。

ミュータンス菌は歯の表面に付着し、“エサ”になる砂糖などと結び付くと、
グルカンというネバネバとしたものを出し、歯の表面に付着します。

その塊が歯垢(しこう)です。

ミュータンス菌は換気扇にへばりつく頑固な油汚れのようなものです。

口の中に自分の棲み家を作ったミュータンス菌は、歯の表面に付いた好物の砂糖や
食事の食べかすをせっせと分解し、歯の同じところを長い時間をかけて侵食します。

これが虫歯の進行です。

甘い砂糖≒歯を溶かす虫歯菌のエサということなのですが、エナメル質を溶かす酸を作らない
天然の甘味料が今注目されています。

甘党を応援するその物質はエリスリトールと呼ばれ、甘みの強さは砂糖の約75%あり、
しかも糖質でありながらゼロカロリーというオマケ付きです。

やまだ農園本舗の「やまだのコラーゲンゼリー」にも、エリスリトールが使用されています。

もちろん虫歯菌が繁殖しないように、食事後はこまめに歯磨きして付着物を取り除くように
心がけるということが一番大切です。


気遣いに見る人間の美しさ

春分前で日没もまだ早いこの時期は、暗くなった後には
気温もグッと下がるため、ついコートのポケットに
手を入れたまま背中も丸めがちに帰路を急ぎます。

帰宅ラッシュの博多駅は、冬の寒さのせいもあるのか、
皆足早に駅構内を歩いています。

夕刻のこのような時間帯に、友人と久しぶりに
待ち合わせをして、夕食を共にすることにしました。

私の友人Nは、海外赴任の経験も長い物腰の穏やかな紳士ですが、
折衝の際には、外国のビジネスマンも兜を脱ぐほど強引な手腕を
発揮する無頼派だと彼の同僚から聞いたことがあります。

ほぼ一年ぶりに会った彼は、多少白髪は増えたものの、
相変わらず染み渡るようないい笑顔で握手を求めてきます。

ひとしきり立ち話の後、博多駅前のスクランブル交差点を渡りながら、
私の近況を話していると、いきなり彼は踵(きびす)を返し、
渡り始めた方向へ戻りだしました。

突然の彼の不思議な行動に振り返ると、彼は和服姿の老婦人の手を取り、
介助しながら横断歩道を一緒に渡っています。

私は、既に交差点の反対側に渡りきっていましたので、
彼が戻るまで待つことにしました。

再び歩行者用信号が青になると、笑顔で小走りしながら渡ってきます。

私が「お知り合い?」と尋ねると、知らない婦人だとのこと。

聞けば、彼女の歩みでは交差点を渡り切る前に信号が赤になると思い、
彼女が無事に渡り切るまで共連れで渡ったとのことでした。

彼はその老婦人が反対側から渡り始めた時点でその状況を把握し、
危険を予測して咄嗟(とっさ)にその行動に出たのでしょう。

恥ずかしながら同じ状況にいたにも関わらず、それが見えていなかった
自分に恥じ入りましたし、彼の俯瞰で現状を把握する気配りの仕方に
関心もしました。

当たり前のことを意識もせずに行なう素敵な友人は、
格好良く眩しく見えました。

「なぁに、俺達より長く生きている先輩だもの、バックアップしなくちゃ。」

その日以来、私も気がけて通りの向こうで信号が青に変わるのを待つ人の中に、
人生の先輩を見つける「気がけ」をするようにしました。

まだ実践のチャンスこそありませんが、交差点で私が役に立つ日が来ても、
さり気なく手を差し伸べることができるよう心がけています。

人の美しさとは、外見ばかりでなく、
内面からも醸(かも)し出されるものです。

健全なる美しさは、健全なる精神に宿る…でしょうか。


寒期に咲く菜の花の強さとは?

一年の中で一番寒い時期である2月は、
外にでることも億劫になってしまいます。
花の季節にはまだ程遠く、今は花の彩りの季節とは言い難いですね。
ところが、春の花である菜の花は、この時期から咲き始めます。

菜の花は、アブラナ科アブラナ属の花で、
別名としてセイヨウアブラナまたはアブラナとも呼ばれます。
明るい色がない冬の畑一面に広がる黄色い花は、
思わず声が出てしまうほどの美しい光景です。

菜の花は、観賞用のほかに早春に味わう食材としても私達を楽しませてくれます。
ご存知かもしれませんが、収穫されずに畑に残ったハクサイも
菜の花と同じアブラナ科アブラナ属で、花も形もとても似た黄色の花を咲かせます。

寒さに耐えた菜の花は、栄養価も高く、
おとなのほろ苦い風味は、春の訪れを食卓でも楽しめますから嬉しいです。
スーパーマケットの野菜コーナーに、食用の菜の花が並ぶと、思わず手にとってしまいます。
一番寒い時期の作業に思いを馳せると、農家の方に感謝せずに入られません。

食用の菜の花は、まず真ん中の芯を摘みます。
すると脇芽が横から出てきます。
栽培農家は、まずしっかりした芯を作り、その後次々と出てくる脇芽を
商品として出荷できます。

食材としての賞味期間は、陳列されている花が色づく前までなので、
12~13cmになった脇芽を出荷するには、摘み始めから箱詰めまでを、
素早く手順よく作業しなければなりません。

美味しい菜の花を、寒さ厳しい冬に収穫するためには、早秋に土作り作業を行います。
南の九州では9月下旬ごろに種まきします。

芽吹く頃は、まだまだ気温は低くありませんので、
青虫など害虫が発生するため、防除は欠かせません。

追肥も行います。

実はこの時期に肥料をやらなければ、花が初冬に咲いてしまい、
厳冬期に花を収穫できません。

栄養が充分な畑では、葉が青々と茂り、冬の寒さに強い株が育ちます。

バランスのとれた栄養を摂ることで、厳しい季節に耐えられるとは、
私達も見習わなければなりません。


バイオリンとプロポリス

17~18世紀に活躍したイタリア人の弦楽器製作者アントニオ・ストラディヴァリを
ご存じでしょうか?

彼が作ったバイオリンはラテン語でストラディヴァリウスと呼ばれ、
現存するおよそ600丁(ちょう)の価値は、いずれも数億円は下らない
と言われています。

バイオリニストがその名器を手に入れるために、数億円をかけても
究極の音を奏でたいという気持ちを理解することは難しいですが、
制作されてから300年を超えて、現代の聴衆や演奏者までもが魅せられる音色には、
職人の持つカリスマ性を感じずにはいられません。

残念ながら彼のバイオリン制作技術を受け継いだ息子たちが相次いで亡くなり、
その製法は伝承される事はありませんでした。

残されたストラディヴァリウスからすべてを推測するしかありません。

多くの研究者が、ひとつひとつの構成要素を研究し解明しつつあります。

バイオリンの表板には、年輪が均等に詰まっているイタリア北部パナヴェッジョの森に
育つマツ科のスプルースを使っていることが判っています。

バイオリンは、使用される木の材質や調整された表板の共鳴性と共に、
仕上げに使われるニスの質や塗布方法がその音色を左右すると言われています。

ストラディヴァリウスの秘密として昔から注目されていたのが、
独特の深い赤色をした上塗り用のニスでした。

残念ながらそのニスの製法も現在に伝えられてはいないため、何人もの研究者が
生涯をかけてその謎に挑みました。

その成分には、絶滅した虫の羽根、植物や鉱物など、樹脂成分として
ポルトガルのクレモナ地方で採れたプロポリスが調合されているなど
様々な研究結果が発表されています。

プロポリスは、古代エジプトのミイラの腐食剤として使用されていましたし、
現代でも化石などの保存用表面剤として広く利用されていますので、
プロポリスが使われていた可能性は大いに考えられます。

プロポリスに含まれる蜜蝋は、光沢剤の役目もはたします。

近年ヨーロッパの研究チームが、5丁のストラディヴァリウスからニスを
採取して分析した結果、一般的な松やにや油が使われているという発表を出していますが、
その本当の答えは、ストラディバリしか知り得ません。

私も健康維持のためにプロポリスを摂っていますが、
その他の効能として、世界的な美声を得ることができるかは、現在調査中です。


ダイエットらくらく運動

前回、過度の食事制限は体内脂肪が減るものの、体を動かす筋肉まで減らしてしまい、
健康なダイエットとは言い難いというお話をしました。

健康的に内臓脂肪を減らすためには、食事制限と共に運動を組み合わせた
ダイエットが大切です。

摂取カロリーを調節するためには、高カロリーの食材を控える料理を考えれば良いですが、
運動にはどのようなアイディアが必要なのでしょうか?

体内に蓄えられている脂肪や糖は、運動によって消費されますが、
その質によって消費されるエネルギーの源が違います。

テニス、サッカー、短距離走など、息が切れて苦しくなる激しい運動(無酸素運動)
の場合は、エネルギーとしてすぐに消費できる糖質が優先的に使われます。

激しい運動の場合、筋肉は酸素を多く消費するため、酸欠の状態になっています。

心臓は筋肉への酸素供給のために早く動かなければなりませんから、脂肪が消費される前に疲れてしまいます。

したがって体内脂肪を消費するには、運動しながら会話できる程度の有酸素運動が効果的です。

原則として有酸素運動を20分以上連続して行えば、体内脂肪の燃焼につながります。

少し早足の散歩や室内での踏み台昇降運動(※1)がお勧めですが、「健康のための有酸素運動」であれば、1日10分でもOKです。

健康のために何かを始めるという意識が大切です。

それでもなかなか腰が上がらないのであれば、究極の手抜き運動をお教えしましょう。

胸を張っておなかを凹ませ、腹筋を少し緊張させながら20秒ほどその体勢を維持します。

その間も呼吸して酸素を体内に取り入れます。

息をゆっくり吐きながら姿勢を戻し、10秒ほど間をおいて再び胸を張ります。

これを10セット繰り返します。

寒い時期は背中が丸くなりがちです。

背中が丸くなった姿勢では、胸腔の体積が少なるので呼吸が浅くなりがちです。

背伸びをしながらこの深呼吸運動をすれば、背筋のストレッチにもなります。

生きるための呼吸を意識する人は、あまりいないかもしれませんが、呼吸によって酸素を取り入れることで
体内の脂肪や糖類を燃やし、その結果、人間の平熱である36~37度ぐらいを維持しているのです。

余分な体内脂肪(エネルギー源)を燃やして消費すれば、その量が少なくなるのは明らかです。

病気を治療するのはお医者さんの仕事ですが、健康を維持するのは、自らの心掛けです。

自分を体の中から応援できるのは、自分自身しかいません。

※1 踏み台昇降運動とは、
左右の足で交互に高さ5cm~30cm程度の台を昇り降りする運動で、テレビを見ながら、
音楽を聴きながら自分のペースで行なう事が出来ます。

腰回りの筋肉や体幹の筋肉、太ももの筋肉、ふくらはぎの筋肉をゆっくり動かすことで気軽に
有酸素運動ができます。

姿勢の矯正や足のむくみ改善も期待できます。


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