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寒い季節の免疫力維持

12月も下旬になると、
天気予報では、
『この冬一番の寒波がやって来るでしょう』
という言葉を聞く機会が増えます。

街中では、コートの襟を立てて、
背中を丸めて歩く人の姿をよく見かけます。

寒さに耐えるため、
ついつい背中が丸くなるのでしょうが、
いわゆる猫背になると、
胸腔を小さくする姿勢になります。

内蔵が圧迫され、
血流が滞り、
肺も圧迫されますので
呼吸が浅い状態となります。

体温を維持するための血液循環が滞ることで、
体温の低下を招きます。

体温が下がると、
毛細血管は収縮します。

毛細血管が収縮すると、
ウイルスを退治したり、
癌細胞を除去する働きを持つリンパ球が、
毛細血管から各細胞へと出向くことが
できなくなります。

リンパ球は、本来の仕事である
細胞組織の掃除をすることなく
心臓に戻っていきます。

その結果、体温が1度下がると、
免疫力は30~40%低下する
と言われています。

年末年始にこたつで丸くなるのもよいでしょうが、
背筋を伸ばして、胸を開き、
肩を上下させる、
深呼吸をする、
その場で高く足を上げて足踏みをして、
筋肉ポンプも活用し、血行を促すことで
免疫力が低下することを避けましょう。

冬を健やかに過ごすためには、
シンプルに姿勢を正すことがよい
ということになります。

「一年の健康は、簡単にあり」
ということでしょう。


静脈の血行を左右するポンプとは

酸素や栄養分を末端まで供給する動脈と、
二酸化炭素や老廃物を腎臓や肝臓、
そして心臓へと戻す静脈は、
体中をクモの巣のようにネットワークしています。

機能的には、いずれの血管も、
血液の通り道です。

動脈は、
血管の壁が薄くて硬い外膜、
厚く弾力性のある中膜、
いちばん内側には薄い内膜の
3層構造になっています。

心臓から強い力で送り出される血液を
拡張と収縮を繰返しながら、
全身へと送ります。

静脈の血管も、
動脈と同様に3層構造ではありますが、
壁の厚みが動脈と比較すると薄く、
弾力は乏しいです。

筋肉の運動など周囲からの圧力によって、
末端から心臓へと血液を送り返しています。

静脈の血液は、
筋肉の収縮によるポンプの働きで流れるため、
逆流防止のための弁が備わっています。

下肢の筋力低下や血管壁面の弱体化、
あるいは逆流防止弁の損傷や機能低下によって、
血管が、蛇行して浮き出てたり、
あるいはクモの巣状に青く透けて見える
静脈の血行障害「静脈還流障害(じょうみゃくかんりゅうしょうがい)」は、
見栄えが悪いため、
悩む人が少なくありません。

全身の中でも
特に腿の付け根や膝の裏に
多く発症します。

足がだるくなったり、
むくむといった自覚があるため、
患者の人にとっては深刻です。

この病気の前兆として、
朝には感じられなかった
足のむくみや足がだるい、
重い、疲れやすいといった倦怠感が、
夕方に症状として現れます。

この下肢静脈瘤とよばれる病気は、
ポンプとしての役割を担っている
ふくらはぎの筋肉を動かすことで、
予防や症状の進行を抑えることができます。

長時間立ったままの姿勢で
仕事をする人であれば、
時々足首を前後に動かすことを心がけたり、
運動不足の人なら
一つ手前のバス停で降りて歩くなど、
生活の中に簡単に取り入れられる方法を
実践することが大切です。


冬の電子レンジ利用法

「目は口ほどにものをいう」
という諺(ことわざ)があります。

目ばかりでなく、顔全体の表情は、
その人の印象を周りの人に伝えてしまいます。

明るい笑顔であれば体調は良いと想像できますし、
伏し目がちな笑顔であれば、
少し体調がすぐれないのかなと心配になります。

また顔色が悪ければ、
同じ笑顔でも、ずいぶんと
印象が違います。

お化粧でカバーできたとしても、
顔色を左右する血液の循環が悪ければ、
顔の表情は冴えません。

冬は気温や湿度が低くなるため、
毛細血管が収縮し血行が悪くなります。

酸素や栄養分の供給が滞り、
肌の新陳代謝がスムーズに行なわれません。

外気の乾燥に加え、暖房による空気の乾燥が
肌の水分を奪うため、
肌を守る皮脂の分泌機能が低下し、
シミや吹き出物といった
肌トラブルも招いてしまいます。

肌の潤いを補うための専用保湿パックもありますが、
電子レンジを活用したお手軽なケアがあります。

濡らしたハンドタオルを固めに絞り、
ヤケドしない程度に
電子レンジを使って温めたタオル(50℃ほど)で
顔を覆います。

1枚だけでは冷めやすいので、
2、3枚タオルを重ね、
皮膚が薄い頬骨あたりを中心に温めて
血行を促します。

温めたタオルをあてる前に、
オリーブオイルを3、4滴含ませたコットンで、
顔全体を拭いておきます。

市販されている化粧品用オリーブオイルもありますが、
食用のエクストラバージンオイルでも問題ありません。

オリーブオイルに含まれる脂肪酸の構成比率は、
母乳にとてもよく似ているため、
ヨーロッパなどでは、離乳食に混ぜて
赤ちゃんにあげていますので、肌にも安全です。


くしゃみが出るワケとは

出物腫れ物所構わず(でもの、はれもの、ところかまわず)の
代表格であるくしゃみは、
我慢できるものではありません。

くしゃみをすると
「誰かがウワサしているんじゃないの?」と
からかわれたりもします。

くしゃみが出る理由は、
鼻の中に侵入した異物が
粘膜に触れた時に起こる反射で、
本能的な防御反応です。

鼻の粘膜に異物が刺激を与えると、
粘膜の肥満細胞からヒスタミンが放出され、
鼻汁が分泌されます。

その情報は三叉神経(さんしゃしんけい)を通して
脳の感覚中枢からくしゃみ中枢へと伝えられ、
くしゃみがでます。

くしゃみによって、
異物を体外へ吐き飛ばそうとする
行動なのです。

空中を舞っている
カビやダニ、ペットの毛など
ハウスダストがくしゃみの引き金となる場合や、
外出した際に、風に運ばれてくる
杉やひのきの花粉も
くしゃみを引き起こします。

ご存知のように、
これらが原因となるアレルギー性鼻炎は、
大変やっかいです。

さらに冬になると
風邪のウィルスも猛威をふるいます。

風邪と関係するウイルスは、
約200種類あります。

気温が15℃以下になると
その多くが活発になる性質をもっています。

また、湿度が低くなる冬場には、
空気中を漂う時間が長くなり、
冬になると風邪を引きやすくなるのです。

厚生労働省の定点報告(2009年)によると、
月別の患者数は12月が一番多く、
さらに11月、1月と続きます。

逆に5月、6月、7月には
少なくなっています。

寒くなるとと風邪を引くという通説は、
これらの調査から明らかです。

また、体温が平熱より1℃下がると、
体内で風邪のウィルスを
退治する白血球の活動が
30%も低下するため、
寒い季節は風邪を引きやすいといえます。

これから様々な行事が控えている
年末年始ですから、
くれぐれも体調管理にはお気をつけください。


隠れ冷え性と湯たんぽ

日頃は寝付きがそれほど悪くなくても、
冬が近づくと寝つきが悪くなったり、
便秘になるといった人の中には、
本人が気づいていない「隠れ冷え性」の
疑いがあります。

血行が滞ることで、
集中力を失ったり、
疲れやすく倦怠感が出る、
腰がだるい、
座っているのもおっくうといった症状は、
隠れ冷え性の特徴です。

口の周辺部がカサカサしたり、
手が荒れたりするのは、
血流が滞ることが原因のひとつで、
肌の細胞まで十分に熱や栄養分が届かず、
ダメージを受けている証拠です。

健全な身体の体表面の温度と内臓の温度は、
差が少ないほど良好な状態といえます。

朝の目が覚めたばかりの状態では、
体が一番温かく、
わきの下の温度は
内臓の温度とほぼ同じはずです。

したがって、
起きた時にお布団の中で、
脇の下で手を挟んだ時に、
差し入れた手が冷たいと感じれば、
隠れ冷え性の可能性が高いです。

身体が冷えることで内臓の機能が低下し、
原因不明の疲労が続く慢性疲労症候群と
隠れ冷え性の間には、密接な関係があります。

隠れ冷え性の改善として、
東京女子医大の班目講師は、
湯たんぽを使用し、
体に熱を与えて体温を上げることで、
疲労症状が改善することを
明らかにしています。

冷えた足のつま先や手の指を
直接温めるのでは、
またすぐに冷たくなってしまうため、
摂氏80度程度のお湯を入れた湯たんぽに、
やけど防止用のタオルを巻き、
まずお腹を温めます。

血液は身体を巡っていますから、
暖められた血液が、
手足の末端まで流れると
全身が温まります。

低温やけどには注意が必要ですが、
全身が温まった状態で、
お布団の足元に湯たんぽを滑り込ませれば、
寝付きが悪く、翌日までに疲れが抜けきれない
といった症状が、
緩和されるはずです。


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