隠れ冷え性と湯たんぽ

日頃は寝付きがそれほど悪くなくても、
冬が近づくと寝つきが悪くなったり、
便秘になるといった人の中には、
本人が気づいていない「隠れ冷え性」の
疑いがあります。

血行が滞ることで、
集中力を失ったり、
疲れやすく倦怠感が出る、
腰がだるい、
座っているのもおっくうといった症状は、
隠れ冷え性の特徴です。

口の周辺部がカサカサしたり、
手が荒れたりするのは、
血流が滞ることが原因のひとつで、
肌の細胞まで十分に熱や栄養分が届かず、
ダメージを受けている証拠です。

健全な身体の体表面の温度と内臓の温度は、
差が少ないほど良好な状態といえます。

朝の目が覚めたばかりの状態では、
体が一番温かく、
わきの下の温度は
内臓の温度とほぼ同じはずです。

したがって、
起きた時にお布団の中で、
脇の下で手を挟んだ時に、
差し入れた手が冷たいと感じれば、
隠れ冷え性の可能性が高いです。

身体が冷えることで内臓の機能が低下し、
原因不明の疲労が続く慢性疲労症候群と
隠れ冷え性の間には、密接な関係があります。

隠れ冷え性の改善として、
東京女子医大の班目講師は、
湯たんぽを使用し、
体に熱を与えて体温を上げることで、
疲労症状が改善することを
明らかにしています。

冷えた足のつま先や手の指を
直接温めるのでは、
またすぐに冷たくなってしまうため、
摂氏80度程度のお湯を入れた湯たんぽに、
やけど防止用のタオルを巻き、
まずお腹を温めます。

血液は身体を巡っていますから、
暖められた血液が、
手足の末端まで流れると
全身が温まります。

低温やけどには注意が必要ですが、
全身が温まった状態で、
お布団の足元に湯たんぽを滑り込ませれば、
寝付きが悪く、翌日までに疲れが抜けきれない
といった症状が、
緩和されるはずです。


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