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日本の芸「折り紙」

「なぜ旅に出るのか」
という問いに対して、
あまり深い意味をはめ込むのは、
堅苦しくもあり、興ざめするので、
風景を楽しむ、食を味わうというあたりで、
とどめておくのが気楽で良いと考えています。

プラスアルファの楽しみがあるとすれば、
旅先で、地元の人達とコミュニケーションできれば、
その旅が一味違って
意味深いものになるのかもしれません。

特に海外においては、
日本とは文化や風習、食も違うことがほとんどですから、
人との交流は、より印象深いものになります。

逆に地元の人にとっても、
異国から来た人たちの振る舞いや習慣が、
珍しければ、多少大げさかもしれませんが、
異文化の交流が行われるということになります。

日本文化は、
今世界中で高い評価を受けていますが、
折り紙もその一つです。

友人の一人に海外旅行をする際は、
必ず色紙を持参する人がいます。

彼曰く
「日頃、折り紙など折らないけれど、
海外の様々な国では、驚きの眼差しで喜ばれる」
ということです。

日本人にとって、
例えば「鶴の折り紙」を折ることは、
日常茶飯事のことです。

病気で入院中の知人を励ますため、
あるいは、
全国大会に出場するチームの必勝を祈願してなど、
暮らしに寄り添うように折り紙があります。

しかし、考えてみると、一枚の正方形の紙から
鶴の折りあげる工程は、驚くべき折りの技術と
立体感覚が必要です。

道行く人に「鶴の折り紙を作ってください」と訊ねれば、
かなりの高確率で作り上げるのではないでしょうか。

その技は、外国の人にとって見れば、
クールジャパンそのものかもしれません。

なかなか海外旅行ができるわけではありませんが、
次の旅では、折りを見つけ、
「折り紙」という日本の芸をお見せできれば、
多少なりとも文化交流になり、旅の思い出も
より深いものになるのではと考えています。


寒さのコリは運動で解消

冬の寒さを思い出させる
冷たい風が吹き始めています。

慌てて冬用の衣類を準備された方も
多いのではないでしょうか。

寒さを感じることで、首や肩の筋肉が緊張し、
血流が滞ることも多くなります。

外出時にマフラーやネックウォーマーを巻き、
首や肩を温めることで、
コリは改善することはできますが、
筋肉を動かすことで血行の改善をすることも大切です。

肩を上げ下げする、
首を前後左右に動かす、
首を回すなどの運動で
コリを解消しようとする姿はよく目にしますが、
それだけでは充分とはいえません。

首とその周辺部のコリを改善するには、
肩甲骨周囲部のコリも和らげることが大切です。

解消法としては、
肩甲骨周囲部を指圧することが、
効果的です。

しかし、一人の時は無理ですから、
椅子に腰掛けた状態での腕振り運動をすることで、
肩甲骨の血行を促し、
コリを改善することはできます。

軽く拳を握り、
走るときのようにひじを曲げ、
腕を前後に振って動かします。

腕を前に振り上げるときは、
拳が目の高さにくるまで上げ、
後ろに振るときは、
できるだけ拳が自分の体の後までくるように
ぐっと引きます。

後ろに思い切って腕を引くことで
肩甲骨は大きく動きます。

この腕振り運動のもう一つの利点は、
肩甲骨のコリを解消すると共に、
体全体の血行が促されることです。

人の体は、外気温の変化に対して、
一定の温度に保とうと様々な機能が働いています。

冬でもその機能は働いているのですが、
これから寒くなる季節は、
外出も億劫になり、
運動する機会が少なくなるため、
他の季節と違って体全体を巡る血液の流れは
鈍くなりがちです。

低温の冬と、高温の夏とを比較すると、
たとえば額では、
冬は夏の約2分の1になるといわれています。

体を動かすことが億劫になる季節ではありますが、
健康のために運動は続けたいものです。


頭寒足熱を心がける

いよいよ秋も深まってきました。

ところが昼間はぐっと気温が上がり、
エアコンの冷房のスイッチを押したくなるような
気温の高さを感じます。

日が暮れ夜半になると、
今度は暖房のスイッチを押すといった
昼夜の温度変化に振り回される日がしばらく続きます。

季節の変わり目は体調を崩しがちですが、
特に秋から冬に移る時期は注意が必要です。

人の体温は、
血液の循環によって
体全体の温度が保たれています。

寒い時期には「頭寒足熱」を心がけましょうと
勧められます。

頭寒とは、頭部を冷やす、
足熱とは、足を暖めるということです。

ただ単に下半身を暖めれば良いということではありません。

下半身が必要以上に温まりすぎると、
脳は体の温度を下げなければならないと判断して
熱を冷まそうと誤認して汗を出してしまいます。

いわゆる「冷えのぼせ」です。

東洋医学において「頭熱足寒」、
いわゆる頭部が紅潮して、のぼせ感があり、
下半身は虚血で冷たい「冷えのぼせ」は、
多くの病気につながるといわれています。

逆に病気の予防と改善には、
「頭寒足熱」の状態にすることが良いということになります。

頭寒足熱の基本とは、
気温が低い時期に、
下半身と上半身の体温差を、
できるだけ小さくするということです。

平常であれば、人の体温は、
下半身は低く、上半身が高くなっています。

人間の体で最も体温が低い部分は、
足の小指です。

足の小指を触ってみて冷たく感じなければ、
頭寒足熱ということになります。

お風呂や湯たんぽなど、
外部から熱を与えることも効果的ですが、
血液の循環をよくすることが一番良い解決法です。

下半身の血液の流れを促進することで
頭寒足熱を保つようしましょう。

イスに座ったままでも
簡単に血流を促す運動はできます。

腰掛けた状態でひざを組み、
下の足のひざ頭で、
上の足のふくらはぎを
上下に動かすことで、
ふくらはぎを刺激できます。

足の血液は、
ふくらはぎの筋肉の収縮と弛緩によって
心臓へ戻っていきます。

いわゆる第2の心臓といわれる
ふくらはぎのマッサージは、
手軽に頭寒足熱を促す方法です。


スポーツの秋、健眼の秋

夏の強い日差しもどこへやら。

暑さの煩わしさからも開放され、
食欲の秋、スポーツの秋、
さらに秋の夜長もあって、
読書にも良い季節となりました。

運動した後の疲れは、
お風呂に入ることやストレッチ運動をすることで
癒やすことはできますが、
読書に夢中になった後の目の疲れを
回復するというところまでは、
あまり気を使っていないというのが実情でしょう。

睡眠することで目の疲れが回復すればよいのですが、
目のかすみや字がぼやけることが多くなれば、
眼精疲労の蓄積を除くことについて考える必要があります。

秋に目の病気が多くなることは、
あまり注目されていません。

起きている間は、
常に目は働いています。

人の場合、
およそ80%の情報を目から得ると言われています。

季節を問わず私たちは、
パソコンやテレビ、睡眠不足、あるいはストレスなど
目を酷使しがちな生活をしています。

暗い照明の下で
本を読んだり書き物をする機会が増えると、
目の疲れが重なることになります。

これからの季節は日没の時間が早くなるので、
照明に気をつけるようにしましょう。

読み物をする場合には、
部屋全体を明るくし、
右のページから左のページへと読み進める
日本語の本の場合には、
左側に照明スタンドを置くことで、
手の影ができることを防げます。

また勉強をする際の姿勢にも注意しましょう。

紙面と目の距離が近すぎる状態が続くと
近視になる危険性が高くなるので、
保護者の方は、
お子さんが適切な机の高さと椅子の高さで
勉強しているか気を配ることも大切です。

眼の筋肉が動かないことで血流が滞り、
目の疲れを感るようになります。

目の周りに蒸しタオルをあてることで
血流が改善されて疲れが和らぎます。

酸化によるダメージを目は受けやすいので、
緑黄食野菜や鮮やかな色のフルーツなど、
抗酸化物質を多く含む食材を摂ることも大切です。

やまだのルテイン10には、
ベリー混合エキスをはじめ、
目の暗順応を改善する効果がある
マリーゴールドが採用されています。


日本語はわくわくの宝庫

日頃なにげなく使う、
どきどき、はらはらなどという言葉は、
総称して「オノマトペ」と分類することをご存知でしょうか?

声や音、動作や感情などを簡略的に表し、
情景をよりわかりやすく表現する言葉として使われるオノマトペは、
いつから使われ始めたか定かではありませんが、
もともと古代ギリシャ語が起源と言われ、
世界中で使われています。

日本では、
消防車のサイレンの音は
「ピーポーピーポー」ですが、
フランス語だと
「パーンポーンパーンポーン(Pin Pon Pin Pon)です。

フランスの時計の音は、
さすがに時計が外来の品ということで
「ティクタク(Tic Tac)」と日本の表現と似ていますが、
暮らしの中の音、
たとえば、
くしゃみは:「アチューム(Atchoum)」のように
ずいぶん違っています。

日本でニワトリの鳴き声である
「コケコッコウ」の発祥には
面白い逸話があります。

かつて明治維新以前には、
お国言葉と同様に、
各地で様々なニワトリの鳴き声があったそうです。

ところが、ある時期からこれが統一されます。

そのキッカケは、日清戦争です。

戦地へ赴く兵隊を全国から招集したところ、
各地の方言が障害となって、
上官のいうことを理解できないという事態になりました。

そこで当時の文部省が、
急務として標準語を作ることになりました。

1900年(明治33年)に国定教科書を作り、
この時作られた教科書に
ニワトリはコケコッコウと鳴きますと表しました。

コケコッコウという表現を
教科書に書いたため、
その後、コケコッコウが全国に広がっていきます。

では、同じ日本人なら皆、
同じように聞こえるのでしょうか?

日本に住んでいる日本人には「コケコッコウ」と聞こえても、
海外に移住した日系移民の子孫たちには
どう聞こえているのでしょうか。

ブラジルに移民した日系三世のお孫さんには、
「クィ クィ レクィ(qui qui requi)」と聞こえるのだそうです。

ご察しのとおり、
ブラジルの母国語であるポルトガル語の
オノマトペが馴染んでいるのです。

ちなみに
ニュージーランドのマオリ族の人には
ニワトリの鳴き声は「コケッコ(kokekko)」と
聞こえるそうで、たいへん興味深いです。

世界各国にオノマトペの言葉は存在します。

たとえば英語には
「デコボコ(bumpy)」、「キラキラ(twincle)」など
数百語があります。

しかし日本語は、他の言語と比べると非常に多く、
英語の5倍以上あるといわれています。

日本語は、
心象を様々なオノマトペを使って表すことができる
わくわくする言語といえるのではないでしょうか。


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