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乳癌のリスクを減らすオリーブオイル

最新の医学研究において、
乳がんを治療する手段は未だ限られています。

また、乳がんを治療する薬の研究においても、
決定打はまだ現れていないのが現状です。

したがって、乳がんになる可能性を低くするような
防衛策に努めるというのが、
個人レベルでできる対策のひとつとなります。

ニューヨークのマウント・シナイ乳がんセンターの
ロスウェル博士が公開した報告によると、
バランスの取れた食生活と肥満体質にならないことが、
乳がん発症のリスクを減らすとしています。

そのひとつの方法が、
オリーブオイルを積極的に摂ることです。

オリーブオイルには、
酸化に対して抑制的に働く力を持つポリフェノールが豊富に含まれ、
過酸化物質を取り除き、動脈硬化の発生を抑制します。

エクストラ・ヴァージン・オリーブ・オイルの苦い辛味であるオレウロペインは、
強力な抗酸化作用を示し、免疫系を強化します。

またオリーブオイル中のセコイリドイドなどの成分は、
ピロリ菌に対する強い抑制作用を示すという報告もあります。

他にもオリーブオイルに含まれるリグナン、セコイリドイドは、
腺癌のひとつである乳がん抑制に力を発揮するばかりでなく、
転移をも抑制することが分かってきています。

同博士が2014年に、3,500人以上の女性を調査したところ、
一日にオリーブオイル大さじ1.5杯以上を摂ったグループは、
マンモグラフィー検査において、
乳房密度(※1)が低下しているという結果を得ています。

乳腺密度の高い乳房は、密度の低い乳房と比べて、
乳房のX線で撮影した画像の読み取りや解釈が困難となる、
つまり乳がんを発見しづらくなります。

※1マンモグラフィー:乳がんを診断する方法のひとつで、乳腺・乳房専用のレントゲン撮影です。


秋の夜空の四角形

朝夕の冷え込みは、
秋の終わりを感じさせるようになってきました。

その反面、夜空に広がる星々の輝きは、
その冷え込みさえも忘れさせる美しさです。

真夜中でさえ、明るさを失わない都会の空であっても、
秋の星座は他の季節に比べれば、
地上の明るさに負けない存在感を放ちます。

夏の星座の主役とも言える「夏の大三角形」である
白鳥座のデネブ、こと座のベガ、わし座のアルタイルは
いずれも一等星ですから、夏の夜更けには、
天空の真上に輝き、容易に見つけることができます。

秋が深まると、この大三角形は、
夜空から早めに退場します。

秋の主役は、
「秋の四辺形」と比喩されるペガサス座(ペガスス座)です。

四辺形を構成する星は、いずれも二等星で、
一等星と比べれば明るさとしては、
多少見劣りするものの、
秋の夜空の透明感も手伝って
なかなかの存在感を持っています。

夏の大三角形や秋の四辺形は、
夜空に広がる星座を探し始める起点として、
目印にされます。

秋の四辺形は、南の空の高いところにあります。

ほぼ正方形に見えるこの星たちは、
ペガサスの胴になり、
そこから星を繋いでいくと首や足になります。

魔女メデューサの血の中から生まれた
天馬であるペガサスにまつわる神話は、
愛と憎しみの満ちたもので、
ココでご紹介するには大いに興ざめですので、
ご興味のある方はギリシャ神話に記されている
ベレロフォーンとゼウスからの下りをお読み下さい。

はるか昔から星を頼りに航海していた船乗りが、
退屈しのぎの夜話から生まれたとも言われる
星座の物語です。

秋は、夜の星を見るには絶好に季節です。

よく晴れた夜に、少し厚着をして
温かいコーヒーをすすりながらの星空見物は、
気軽に楽しめる秋ならではのイベントです。


静かなる歯の病とは

虫歯のない人は、歯科医とは縁がなくても良いと
思っていらっしゃる方が少なくありません。

口の中が健康と聞かれた時に、
「虫歯は全部治療したので大丈夫。」あるいは
「ときどき痛む歯はあるけど、歯科医に行くのはもう少し先で良い…」など
痛む歯があるかどうかという答えになってしまいます。

しかし、歯科医院でくわしく調べると、
35歳以上の約80パーセントの人が
病気を患っているという調査結果があります。

虫歯のはじまり定義とは、
歯の表面に細菌が付着し、
エナメル質を溶かすことです。

虫歯初期の段階では、
表面がわずかに黒ずんで、
冷たい食べ物がときどきしみる程度です。

外見とは裏腹に歯の内部で
虫歯は広がっていきます。

神経のある部分(歯髄)まで虫歯菌に侵されると
痛みがひどくなり、さらに虫歯が進行すると
歯髄は、最終的には死滅してしまいます。

このような虫歯の進行については
広く知られているのですが、
歯周病についての情報は
まだまだ正しく知られていません。

歯周病の初期症状は、
これといった痛みをあまり感じることはなく、
歯肉が赤く腫れ、歯を磨く時にわずかに血が出るなど
目立った兆候はありません。

しかし、歯と歯肉の間に歯周ポケットと呼ばれる袋が
知らず知らずのうちにできていきます。

歯周ポケットの中にたまった歯垢が
硬くなった歯石に変化していきます。

この時点で治療を始めないと
歯周ポケットはさらに大きくなり、
膿が出るようになります。

歯の根元の肉(歯肉)が後退して、
歯を入れ置く槽という意味を持つ歯槽骨が減って、
歯はグラグラになり、最終的に歯は抜け落ちます。

虫歯と違い歯周病は、歯周病はほとんど症状が現れずに
進行するという点です。

虫歯のように痛みが知らせてくれることなく
病が進行するので、歯を磨く時に、
歯茎の色などをこまめにチェックする必要があります。


歩くには絶好のチャンス

晴天が続くこの時期は、
家の中にいることがもったいないと感じている方も少なくないでしょう。

爽やかな秋晴れの空のもとに外出することは、
日頃の運動不足を解消するにはまさしく絶好のチャンスです。

更に習慣として歩くことを生活の一部に組み入れるきっかけにもなります。

なんといっても歩くことは、
誰でも、どこでも、いつでも、手軽にできます。

小さなお子さんからお年寄寄りまで、
生涯を通じてできるスポーツともいえます。

歩くことは健康な体づくりに最適で、
高血圧などの生活習慣病予防や
骨に刺激を与えることで、
骨粗しょう症の予防にもなります。

ストレス解消の効果も期待できます。

年齢やその日の体調に合わせて、
無理なくできるのも、
歩くという日常の基本動作ならではの運動特徴です。

歩くことは、皮下脂肪や内臓脂肪を燃やすことができる有酸素運動です。

ジョギングや水泳も空気中の酸素を体内に取り込みながら持続してできる有酸素運動ですが、
歩くことは一番穏やかで、誰にでもできる運動です。

20分~30分歩かないと脂肪が燃焼しないという
学説もありますが、カラダを動かせば、
必ず体内の糖質がエネルギーとして消費されますので、
5分、10分のわずかな運動であっても、脂肪の燃焼につながります。

理想としては、1日30分程度がおすすめですが、
健康のことを考えればわずかな時間でも、
歩くことは有益です。

あごを引き、背筋をシャンと伸ばした姿勢で歩くことは、
姿勢が崩れることが原因となる血行不良や代謝の低下の予防も期待できます。


ハチミツの危機上陸

ミツバチが日本の歴史に初めて登場したのは、
西暦643年(皇極2年)「日本書紀」です。

奈良時代には、天平11年(739)に渤海国(※1)から
貴重な薬として献上されたと記されています。

その後、本格的に養蜂が行われるようになったのは
江戸時代からです。

この頃のミツバチは、日本の古来種であるニホンミツバチでした。

明治維新後、ハチミツの収穫量の向上を目的として、
アメリカからイタリア国種のミツバチが輸入されます。

第二次世界大戦の混乱や貿易の自由化などにより
現在の養蜂を取り巻く環境は厳しくなっていますが、
それでもミツバチを飼育している農家の戸数は、
2014年(平成26年)時点で、9,306戸となっています。

ミツバチの仕事は、
花の蜜を集めるだけではありません。

生食の消費量が世界一のイチゴ栽培をはじめ、
農産物の花粉交配でのミツバチの重要性は増し、
受粉が農産物生産の35%を支えています。

家畜としてのミツバチの総産出額は 3,500億円にのぼり、
98%が花粉媒介用のミツバチの働きということになっています。(※2)

ところが、この可愛い働き者であるミツバチを激減させる敵が、
大陸から上陸したというニュースが報道されました。

その恐ろしい敵とは、外来種であるツマアカスズメバチです。

このスズメバチは、攻撃性が高く、
一度獲物・敵と定めた相手に対しては、
執拗に攻撃をくり返す習性があります。

ツマアカスズメバチが増加すると、
エサとして好んで捕獲するセイヨウミツバチが、
格好の標的となります。

ミツバチに受粉の手伝いをしてもらっている
野菜のかぼちゃ、ナス、きゅうり、トマト、ピーマン、ズッキーニ、
フルーツのいちご、すいか、メロン、なしなどの
生産に深刻な被害を受けることが心配されています。

このハチは、日本だけではなくて、
中国や台湾、東南アジア諸国で被害を与えているため、
世界規模の対策が検討されています。

※1 渤海国:満洲から朝鮮半島北部、現ロシアの沿海地方にかけて、
かつて存在した国家
※2 ハチミツ生産について:一般社団法人 日本養蜂協会ホームページより


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