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秋と肌の夕暮れ

秋の日は釣瓶(つるべ)落としということわざがあります。

「釣瓶」とは、バケツのような桶を竿や縄の先につけて、
井戸の中におろして、井戸水を汲むための道具です。

秋の夕暮れは、その釣瓶が井戸に滑り落ちるように、
あっという間に暮れるという例えです。

この例えを使うと、切ないような気もしますが、
ヒトの体の中のコラーゲンの量も
この表現に限りなく近いのです。

ご存知のようにコラーゲンには弾力性があるため、
血管をしなやかに、そして骨を丈夫に保ちます。

細胞と細胞を結び、肌の弾力やつやを保つ
たんぱく質のひとつであるコラーゲンは、
体の組織内で新陳代謝を繰り返し、
古くなったコラーゲンは分解吸収され、
新しく作られたコラーゲンと入れ替わって
健康な体を保ちます。

しかし、この生まれ変わるコラーゲンの再生スピードは、
既に20歳をピークに年齢とともに衰えていきます。

10代までは体内のコラーゲン合成が活発なものの、
20歳を過ぎるころから代謝スピードは低下します。

20歳代を基準とすると、60歳代では約75%にまで減少します。

コラーゲンに関する限り、私たちの体は、
20歳を過ぎるころには、老化(エイジング)、
つまり全身のコラーゲン量が減少し始めています。

皮膚の弾力やつやのピークは、せいぜい25歳までです。

俗に言う「お肌の曲がり角」です。

歳をとると疲れやすくなる、夜更かしが辛くなるというのは、
老化の典型です。

体力が落ちることは、定期的に運動をすることで保つこともできますが、
お肌の新陳代謝のサイクルが弱まることを補うためには、
不足するコラーゲンを補給するという方法しか対抗手段はありません。

確かに「秋の日は釣瓶(つるべ)落とし」ですが、
よく考えると、次の日にはまた太陽は昇ります。

加齢によって衰えるコラーゲンの再生能力は、
サプリメントを摂るという工夫によって
乗りきれるととも言えます。


冷たい朝に目覚めの工夫

ここ数日、涼しさを通り越して、
朝夕はめっきり初冬の寒さを感じる気温になってきました。

布団の中が居心地良く、時計とにらめっこをしながら、
起きるタイミングを粘っている方もいらっしゃるでしょう。

寝覚めたばかりは、体の筋肉がこわばっていますので、
布団の中でストレッチしてから起きると血流が促され、
朝の活動を始めるきっかけをサポートしてくれます。

ストレッチをすると筋肉は刺激を受けることで、
自律神経の働きが良くなります。

有酸素運動(エアロビクス)や筋肉に負荷をかけることで、
血流はよくなりますが、
ゆっくり行なうストレッチが血流を促すということは
あまりイメージできません。

動脈から送り出される血液は、
手足の末端まで心臓のポンプ活動によって、
酸素や栄養素を送り届けます。

送り出された血液が、
再び心臓へと送り戻されるには、
心臓の役割を手足の筋肉が代行します。

したがって、エアロビクスやウォーキングのような動作を行わなくても、
ゆっくり筋肉を動かす布団の中のストレッチであっても
筋肉が動くことで血流が良くなります。

睡眠時の横になった姿勢から、
日中に活動するための縦に起き上がった姿勢に移行する前に、
布団の中で手足を背伸びの要領でのばす、
足の裏をおしりにつけてゆっくり体をそらすなど、
チョットした筋肉のストレッチが脳への血流を促し、
スッキリと起きるための手助けをします。


冷え性予防の暮らし方

人の体温には1日を通じてリズムがあり、
眠りとの関係も深いことが分かっています。

活動する日中は体温が上昇し、
夜になると体にたまった熱(深部体温)を下げるために
手や足先の末梢の血管を拡張させて血流量を増やして、
熱を放出(熱放散)します。

こうした体のリズムが崩れると、
色々な症状となって、体調を崩す原因になります。

眠り始めの約3時間のうちに成長ホルモンの分泌が盛んになります。

成長ホルモンは、体の機能を修復し、
各器官の働きも回復させてくれます。

ちゃんと寝ることに心がけることは、
体の機能が正常に保てるために必要です。

ただし、夜の気温が急に下る秋の夜は、
布団の中に入っていても手足が冷たいまま、
なかなか眠りにつくことができないこともあります。

冷えは、血行が悪い状態のところに起こります。

心臓から一番遠い足は、
うっ血して冷えが起こりやすい場所です。

就寝直前に足湯をする、布団の足元に湯たんぽを入れておくなど、
冷やさないひと工夫が、眠りを誘うのに効果的です。

日中に立ち仕事が多い人は、
夜になっても足のむくみが取れない人も少なくありません。

むくみは足の冷えを悪化させますので、
足を水平にして、足首や足指を動かして血行を促すと良いでしょう。

足元を温める安眠用の5本指ソックスなどもありますが、
サイズの合わないものを使うとふくらはぎが圧迫されて、
うっ血の原因となります。

日頃、同じ姿勢をとることが多い人は、
こまめに体を動かして血行を良くする工夫を
生活の中に取り入れましょう。

階段を使う、日頃利用する駅やバス停への道をのばすことからでも
運動する機会は増やせます。

過ごしやすい夜から肌寒い夜に移っていくこの時期は、
本格的な寒さが始まる前に冷えへの備えを整えましょう。


冷えを改善!食事編

体を温める食べ物を摂りましょう

冷えた体を暖める方法の一つとして、防寒用の服を着る、ウォーキングなど体を動かすなど
物理的に対抗する作戦がまず頭に浮かびます。

もちろん暖かい料理を食べて温まる方法もあります。

なべ料理で温まるのが、手近な方法ですが、その中に入れる材料としては、
苦味・渋みがあって寒い地方でとれる野菜を材料に加えることや、
ねぎ、しょうが、唐辛子など刺激のあるものをダシに加えると
体が温まる効果が高められます。

体を温める栄養素

栄養素という面から考えてみると
ビタミンB…糖質、タンパク質、脂質をエネルギーに変えるのに必要(豚肉)
ビタミンE…血行促進、女性ホルモンのバランスを調整(ナッツ・アボカド)
ビタミンC…貧血改善、細い血管の働きを維持
※ストレスやタバコで多く消費されるので、心当たりのある方は、1日50mg以上を摂取しましょう。)

精製されたものは、ビタミン・ミネラルが少ないので、
白砂糖より黒砂糖、白米より玄米を摂りましょう。

タンパク質を効果的に摂りましょう

食べたものを熱に変える割合は、
タンパク質30%、炭水化物10%、脂肪3~4%といわれています。

体を温めるためには、タンパク質をしっかり摂るように心がけます。

タンパク質は、筋肉やホルモンの原料になりますので、
特に体内で構成できない必須アミノ酸を含む良質のタンパク源(大豆製品、乳製品、肉、魚)は
積極的に食べるようにします。


今のうちから冷え対策

夏の暑さも峠を超え、過ごしやすい気候になりました。

秋は、行楽に良い季節ですから、美しい風景を思い切り満喫したいものです。
しかし、秋は、ご存知のように、夏以上に紫外線防止対策が必要です。
日傘や帽子などの携帯はお忘れの無いように…。

さて、秋に気をつけることは、紫外線だけではありません。

夏に溜まった疲れやエアコンによる肌の乾燥へのケアも必要ですし、
気温が下がってくるこの時期は、冷えへの対策も大切です。

冷えは、実は人の体に様々な悪影響を及ぼすことがあり、
寒くないから…と考えず、今のうちから冷え対策を心がけましょう。

ここで、冷えについて、改めて考えてみましょう。

季節を問わず冷えに悩む人は少なくありませんが、
気温が低い冬場は、特に手足の先など体の末端の冷えが辛い時期です。

冷えは、肌荒れ、生理痛、生理不順、頭痛、めまい、腹痛、体のだるさ、
不眠などを引き起こすことや免疫力を低下させるため、
心当たりの原因を考え、改善することが大切です。

冷えの原因は、食生活の乱れなどの生活習慣に原因があると考えられています。

例えば、ミネラル・ビタミンが不足してしまうと、
食べ物からエネルギーや熱を作ることができず、
体温が上がらなくなり、冷え性になってしいます。

生活習慣を見直して、冷えを改善しましょう。


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