日本の芸「折り紙」
「なぜ旅に出るのか」
という問いに対して、
あまり深い意味をはめ込むのは、
堅苦しくもあり、興ざめするので、
風景を楽しむ、食を味わうというあたりで、
とどめておくのが気楽で良いと考えています。
プラスアルファの楽しみがあるとすれば、
旅先で、地元の人達とコミュニケーションできれば、
その旅が一味違って
意味深いものになるのかもしれません。
特に海外においては、
日本とは文化や風習、食も違うことがほとんどですから、
人との交流は、より印象深いものになります。
逆に地元の人にとっても、
異国から来た人たちの振る舞いや習慣が、
珍しければ、多少大げさかもしれませんが、
異文化の交流が行われるということになります。
日本文化は、
今世界中で高い評価を受けていますが、
折り紙もその一つです。
友人の一人に海外旅行をする際は、
必ず色紙を持参する人がいます。
彼曰く
「日頃、折り紙など折らないけれど、
海外の様々な国では、驚きの眼差しで喜ばれる」
ということです。
日本人にとって、
例えば「鶴の折り紙」を折ることは、
日常茶飯事のことです。
病気で入院中の知人を励ますため、
あるいは、
全国大会に出場するチームの必勝を祈願してなど、
暮らしに寄り添うように折り紙があります。
しかし、考えてみると、一枚の正方形の紙から
鶴の折りあげる工程は、驚くべき折りの技術と
立体感覚が必要です。
道行く人に「鶴の折り紙を作ってください」と訊ねれば、
かなりの高確率で作り上げるのではないでしょうか。
その技は、外国の人にとって見れば、
クールジャパンそのものかもしれません。
なかなか海外旅行ができるわけではありませんが、
次の旅では、折りを見つけ、
「折り紙」という日本の芸をお見せできれば、
多少なりとも文化交流になり、旅の思い出も
より深いものになるのではと考えています。