頭寒足熱を心がける

いよいよ秋も深まってきました。

ところが昼間はぐっと気温が上がり、
エアコンの冷房のスイッチを押したくなるような
気温の高さを感じます。

日が暮れ夜半になると、
今度は暖房のスイッチを押すといった
昼夜の温度変化に振り回される日がしばらく続きます。

季節の変わり目は体調を崩しがちですが、
特に秋から冬に移る時期は注意が必要です。

人の体温は、
血液の循環によって
体全体の温度が保たれています。

寒い時期には「頭寒足熱」を心がけましょうと
勧められます。

頭寒とは、頭部を冷やす、
足熱とは、足を暖めるということです。

ただ単に下半身を暖めれば良いということではありません。

下半身が必要以上に温まりすぎると、
脳は体の温度を下げなければならないと判断して
熱を冷まそうと誤認して汗を出してしまいます。

いわゆる「冷えのぼせ」です。

東洋医学において「頭熱足寒」、
いわゆる頭部が紅潮して、のぼせ感があり、
下半身は虚血で冷たい「冷えのぼせ」は、
多くの病気につながるといわれています。

逆に病気の予防と改善には、
「頭寒足熱」の状態にすることが良いということになります。

頭寒足熱の基本とは、
気温が低い時期に、
下半身と上半身の体温差を、
できるだけ小さくするということです。

平常であれば、人の体温は、
下半身は低く、上半身が高くなっています。

人間の体で最も体温が低い部分は、
足の小指です。

足の小指を触ってみて冷たく感じなければ、
頭寒足熱ということになります。

お風呂や湯たんぽなど、
外部から熱を与えることも効果的ですが、
血液の循環をよくすることが一番良い解決法です。

下半身の血液の流れを促進することで
頭寒足熱を保つようしましょう。

イスに座ったままでも
簡単に血流を促す運動はできます。

腰掛けた状態でひざを組み、
下の足のひざ頭で、
上の足のふくらはぎを
上下に動かすことで、
ふくらはぎを刺激できます。

足の血液は、
ふくらはぎの筋肉の収縮と弛緩によって
心臓へ戻っていきます。

いわゆる第2の心臓といわれる
ふくらはぎのマッサージは、
手軽に頭寒足熱を促す方法です。


スポーツの秋、健眼の秋

夏の強い日差しもどこへやら。

暑さの煩わしさからも開放され、
食欲の秋、スポーツの秋、
さらに秋の夜長もあって、
読書にも良い季節となりました。

運動した後の疲れは、
お風呂に入ることやストレッチ運動をすることで
癒やすことはできますが、
読書に夢中になった後の目の疲れを
回復するというところまでは、
あまり気を使っていないというのが実情でしょう。

睡眠することで目の疲れが回復すればよいのですが、
目のかすみや字がぼやけることが多くなれば、
眼精疲労の蓄積を除くことについて考える必要があります。

秋に目の病気が多くなることは、
あまり注目されていません。

起きている間は、
常に目は働いています。

人の場合、
およそ80%の情報を目から得ると言われています。

季節を問わず私たちは、
パソコンやテレビ、睡眠不足、あるいはストレスなど
目を酷使しがちな生活をしています。

暗い照明の下で
本を読んだり書き物をする機会が増えると、
目の疲れが重なることになります。

これからの季節は日没の時間が早くなるので、
照明に気をつけるようにしましょう。

読み物をする場合には、
部屋全体を明るくし、
右のページから左のページへと読み進める
日本語の本の場合には、
左側に照明スタンドを置くことで、
手の影ができることを防げます。

また勉強をする際の姿勢にも注意しましょう。

紙面と目の距離が近すぎる状態が続くと
近視になる危険性が高くなるので、
保護者の方は、
お子さんが適切な机の高さと椅子の高さで
勉強しているか気を配ることも大切です。

眼の筋肉が動かないことで血流が滞り、
目の疲れを感るようになります。

目の周りに蒸しタオルをあてることで
血流が改善されて疲れが和らぎます。

酸化によるダメージを目は受けやすいので、
緑黄食野菜や鮮やかな色のフルーツなど、
抗酸化物質を多く含む食材を摂ることも大切です。

やまだのルテイン10には、
ベリー混合エキスをはじめ、
目の暗順応を改善する効果がある
マリーゴールドが採用されています。


日本語はわくわくの宝庫

日頃なにげなく使う、
どきどき、はらはらなどという言葉は、
総称して「オノマトペ」と分類することをご存知でしょうか?

声や音、動作や感情などを簡略的に表し、
情景をよりわかりやすく表現する言葉として使われるオノマトペは、
いつから使われ始めたか定かではありませんが、
もともと古代ギリシャ語が起源と言われ、
世界中で使われています。

日本では、
消防車のサイレンの音は
「ピーポーピーポー」ですが、
フランス語だと
「パーンポーンパーンポーン(Pin Pon Pin Pon)です。

フランスの時計の音は、
さすがに時計が外来の品ということで
「ティクタク(Tic Tac)」と日本の表現と似ていますが、
暮らしの中の音、
たとえば、
くしゃみは:「アチューム(Atchoum)」のように
ずいぶん違っています。

日本でニワトリの鳴き声である
「コケコッコウ」の発祥には
面白い逸話があります。

かつて明治維新以前には、
お国言葉と同様に、
各地で様々なニワトリの鳴き声があったそうです。

ところが、ある時期からこれが統一されます。

そのキッカケは、日清戦争です。

戦地へ赴く兵隊を全国から招集したところ、
各地の方言が障害となって、
上官のいうことを理解できないという事態になりました。

そこで当時の文部省が、
急務として標準語を作ることになりました。

1900年(明治33年)に国定教科書を作り、
この時作られた教科書に
ニワトリはコケコッコウと鳴きますと表しました。

コケコッコウという表現を
教科書に書いたため、
その後、コケコッコウが全国に広がっていきます。

では、同じ日本人なら皆、
同じように聞こえるのでしょうか?

日本に住んでいる日本人には「コケコッコウ」と聞こえても、
海外に移住した日系移民の子孫たちには
どう聞こえているのでしょうか。

ブラジルに移民した日系三世のお孫さんには、
「クィ クィ レクィ(qui qui requi)」と聞こえるのだそうです。

ご察しのとおり、
ブラジルの母国語であるポルトガル語の
オノマトペが馴染んでいるのです。

ちなみに
ニュージーランドのマオリ族の人には
ニワトリの鳴き声は「コケッコ(kokekko)」と
聞こえるそうで、たいへん興味深いです。

世界各国にオノマトペの言葉は存在します。

たとえば英語には
「デコボコ(bumpy)」、「キラキラ(twincle)」など
数百語があります。

しかし日本語は、他の言語と比べると非常に多く、
英語の5倍以上あるといわれています。

日本語は、
心象を様々なオノマトペを使って表すことができる
わくわくする言語といえるのではないでしょうか。


若さとは柔軟な発想

残酷ではありますが、
年を重ねるに連れ、若い時と比較すると
関節をスムーズに動かすためのヒアルロン酸や
お肌のハリや潤いに欠かせないコラーゲンが
ぐっと減ることは否めません。

加齢による外見の老いは、
仕方ないこととも言えますが、
内面の美という点では、
年令を重ねるに連れますます高まると
言っても良いでしょう。

常に新しいものに興味を持ち、
知識を吸収することで、
人間としての美しさが衰えることはありません。

逆転の発想というものも、
多くの経験を重ねることで湧き出してくるものです。

1991年(平成3年)9月28日、
青森県を風速50m以上の威力を持つ
台風19号が襲いました。

ちょうどリンゴが収穫される前であったため、
大きな被害が出ました。

この台風の影響で
収穫前のリンゴ9割が落ちました。

農業は常に自然との戦いであり、
自然災害を避けることはできません。

リンゴ農家の多くは肩を落とし、
被害額の大きさに落胆してしまいました。

しかし、
残った1割のリンゴに着目した人が、
起死回生のアイディアを出しました。

9割のリンゴは落ちてしまったが、
1割のリンゴは落ちなかった。

秋から冬にかけては、
来春の合格を目指す受験生にとって、
学力はもとより、
縁起担ぎさえも実力のうちです。

そこで猛烈な台風にも耐え忍び
落ちなかったリンゴを「落ちないリンゴ」と名付けて、
1個1000円で受験生を対象に売ったところ、
落ちないリンゴは、飛ぶように売れました。

このアイディアのおかげで、
台風被害の損失を補うことができました。

老いては子に従えという諺はありますが、
老いたる馬は道を忘れず(経験豊かな人は、判断が適切である。)の方が
言えて妙ではないでしょうか?


秋は炊き込みご飯

秋深まれば、
食欲とどまるところを知らず…。

秋に獲れる食材は、
調理されて食卓を賑わすと共に、
ご飯と一緒に炊き込むと、
いっそう美味しくいただけます。

いわゆる炊き込みご飯は、
塩やしょうゆで下味をつけ、
米と共に栗やキノコ、魚貝類などを加えて、
炊いたごはん料理です。

今では地方によって
様々な食材との組み合わせがある
炊き込みご飯ですが、
その歴史は、
奈良時代までさかのぼります。

炊き込みご飯は、
米の収穫がまだ十分でなかったころ、
米の量を節約するために、
色々な具を混ぜたことから始まります。

食事の量を増やすために用いれられた食材には、
あわや麦、ひえなどの雑穀、野草が
使われていたようです。

室町時代の頃になると、
料理の種類の一つとして、
食べられるようになります。

「変わり飯」と呼ばれるこの料理には、
くり、豆、野菜なども一緒に炊かれるようになりました。

様々な庶民文化が花開いた江戸時代では、
竹の子飯、えんどう飯、だいこん飯、ねぎ飯、
かき飯、かに飯、とり飯など種類が増え、
旬の食材をお米と一緒に炊きこんで、
味や季節感を楽しむ料理へと進化します。

アメリカやヨーロッパのように
小麦を主な穀物として食べている国々では、
バターライスやサフランライス、ピラフのように、
食材と混ぜあわせたお米料理は、
添え物として出されますが、
米が主食の日本では、
炊き込みご飯は、食卓の主役です。

少し贅沢して、
国産の松茸を使った炊き込みご飯を、
一年に一度は食べたいものです。