春のクローバーを待つ

この季節になると、
公園の花壇は、来春の準備として、
チューリップの球根などが植え付けられ、
土色が目立っています。

グラウンドの芝生も枯れて
鮮やかな緑は来年までお預けです。

ところが河原の土手で、
寒さに耐えながらも
青々とした葉の茂みを
見つけることができます。

クローバーです。

シロツメグサとも言われるクローバーは、
耐寒性のある多年草で、
寒さに強く、常緑で冬越しします。

花期は5~9月ですから
さすがに花は見られませんが、
寒さが厳しい季節でも生き生きとして、
春の訪れとともにグングン殖え広がります。

もともとはヨーロッパ原産ですが、
今では世界中で栽培されています。

ミツバチにとっても大切な花で、
クローバーが咲いている時期に、
せっせと花蜜を集めている様子は、
かわいいですね。

クローバーの花は、
ハーブティーとして飲むことができます。

強壮効果があり、
シロツメクサ茶として販売されています。

また、葉は茹でて食べることもできます。

春先に出る若い葉を、
塩を一つまみ入れた熱湯で茹でたあと、
水にさらせば下ごしらえ完了です。

油炒めや胡麻和えにします。
花もさっと茹でれば、
三杯酢にしていただけます。

また、採りたての花と葉に直接衣をつけて、
天ぷらやかき揚げにしてもおいしいです。

周りが冬枯している時期なら
どこにクローバーが生えているか分かりやすいので、
チェックして、春を待つのも楽しいでしょう。


神経失調症の基礎知識

交感神経と副交感神経を合わせて、
自律神経と呼びます。

心臓などのように、
自分ではコントロールできない
自動的に働く神経です。

交感神経は、活動する神経であり、
副交感神経は、休む神経といわれています。

交感神経と副交感神経は、
必要に応じて自動的に切りかわって働くようになっていますが、
不規則な生活や習慣などでこのバランスが崩れると、
動悸やめまい、頭痛、憂鬱感などの症状が現れます。

このような自覚症状を感じて、
病院で検査をしてもらった結果、
なにも異常がみつからない場合は、
自律神経失調症と診断されることが少なくありません。

というのも、
自律神経系の不調による症状のあらわれ方は、
非常に不安定で、
複数の症状があらわれる、
あるいは症状が出たり消えたりする場合があります。

自律神経失調症の特効薬というものはなく、
薬物療法やカウンセリングなどの心理療法、
指圧やマッサージなどの理学療法、
症状やタイプを見極めながら、
治療することになります。

また、
原因となる生活環境などを改善するために、
音楽療法やアロマテラピーなど五感に働きかける治療法が
とられることもあります。


ミネラルウォーターを知る

昭和の時代には、
ボトル入りの水を買うなどという習慣は、
ほとんどありませんでした。

現在では、
スーパーやコンビニエンスストアなどで
様々な水が販売されています。

「おいしい天然水」
「美しい山麓から湧き出た清流水」などといった
キャッチコピーで売られているミネラルウォーターは、
今では私たちの暮らしと切り離せない商品になっています。

考えてみると、
水道が普及する前の日本では、
地下から組み上げた井戸水、まさしく元祖ミネラルウォーターを、
飲料用の水として使っていた時代もあったわけです。

では、井戸水と現在市販されているミネラルウォーターでは、
何が違うのでしょうか?

農林水産省が定めている
ミネラルウォーターの品質に関するガイドラインでは、
水の区分を大きく3つに分けています。

特定の水源から採取された地下水を、
ろ過や過熱殺菌、沈殿の殺菌処理のみ行っている
「ナチュラルウォーター」。

ミネラル(二酸化炭素も含む)を含む
特定の水源から採取された地下水に
ろ過や過熱殺菌、沈殿の殺菌処理がされた
「ナチュラルミネラルウォーター」。

ナチュラルミネラルウォーターを
ミネラル調整や浄水処理し、
品質を一定に保っている
「ミネラルウォーター」です。

ミネラルウォーターといっても
成分調整、無調整で分類されているのです。

また、同じミネラルウォーターであっても、
外国から輸入されるものは、
生産国の基準でボトリングしていますので、
ヨーロッパのようにミネラル分が豊富で、
水の硬度(※1)が高いミネラルウォーターは、
特有の味を感じる場合もあります。

※1 硬度:水に含まれている
カルシウムとマグネシウムの合計量によって、
一定の水準より少ない場合を軟水、
多い場合を硬水といいます。


花よし味よしのレンコン

蓮の華(ハスのはな)は、
清らかさの象徴として称えられる美しい花です。

沼地に咲き、
「蓮は泥より出でて泥に染まらず」という
日本人にも馴染みの深い喩え(たとえ)がある
花でもあります。

もちろんご存知のように、
蓮の根つまり蓮根(レンコン)は、
秋から冬への美味しい食材としての方が、
馴染み深いかもしれません。

おせち料理に欠かせないレンコンは、
輪切りにすると、
丸い空洞から向こうが良く見えるため、
「見通しが良い」という縁起ぎの食材でもあります。

食用として知られているのは、
地下茎ですが、
東南アジアでは、
ハスの実もよく食べられています。

このレンコンには栄養素も多く含まれ、
根菜類の中でもっとも豊富なビタミンCをはじめ、
ビタミンB1、B12、カリウム、
レンコンの粘りのもとであるムチンや、
食物繊維も含まれています。

レンコンを切った時に糸をひくムチンは、
胃壁を保護し、
胃炎や胃潰瘍の予防に一役買ってくれます。

これは納豆やオクラ、里芋などに含まれる成分と同じで、
タンパク質や脂肪の消化を促進します。

中国から仏教とともに伝来し、
5世紀ごろ日本に入ってきたレンコンは、
その後全国に広まり、大切に栽培されています。

昔からレンコンは、
二日酔い、鼻炎や鼻づまり、下痢止め、
シミ、ソバカスに効果があると言われ、
今でも免疫力を高める健康に良い野菜として
食べられています。

年中出荷されているレンコンですが、
秋に獲れるレンコンは歯ざわりが柔らかくあっさりとし、
晩秋から冬のものは、
グッと粘りが出て甘味もまします。

様々な料理法で美味しく食べられる秋の根菜と言えます。

また、
ラーメンなどのスープを飲む時に使うレンゲですが、
サジの形が、散ったハスの花びら一片に似ていることから、
「散り蓮華(ちりれんげ)」と呼ばれるようになり、
今ではそれが省略され、レンゲとなりました。

※レンコン調理のポイント
ビタミンC、ムチンは水に溶けやすいので、
水にさらす、下ゆでなどのアク取り作業は、控えめにします。


タンパク質の巡りあい

すべての人は、
健康であることを望んでいると思いますが、
健康であるためにはどのようなことに気をつけて
タンパク質を摂ればよいのかと問われると、
なかなか的確に答えることができる人は
多くはないかもしれません。

それは、家族構成や食べ物の好み、
地方独自の味付けなど、
その人が暮らす環境が様々だからです。

したがって、
個人にとって適切なタンパク質の量を
標準化するのは、
たいへん難しいことです。

植物性のタンパク質を多く含んでいる豆腐や納豆、
あるいは牛、豚、鳥など肉を多く食べる人は、
一日に摂取するべきタンパク質の必要量を
満たすことは容易で、
タンパク質の欠乏という問題とはあまり縁がないでしょう。

一方、タンパク質が不足している食生活を送っている人は、
食事で摂るタンパク質の量に注意しないと
問題を招くことになります。

というのも、タンパク質は、細胞膜をつくり、
細胞骨格を形成し、体の骨格、筋肉、皮膚を
構成しています。

タンパク質を構成しているアミノ酸は、
タンパク質合成の素材であるとともに、
神経伝達物質やビタミン、
さらに、酸化されることで
エネルギー源としても利用されいます。

植物性タンパク質を含む豆腐を食べても、
そのまま大豆のタンパク質が
人のタンパク質として
体に取り込まれるわけではありません。

タンパク質は、
いくつかのアミノ酸の集合体です。

大豆のタンパク質は、
アデニンやグアニン、チミンなどのアミノ酸に分解され、
体内で再びタンパク質として構成された後、
筋肉や神経伝達物質、ビタミンなどとして利用されます。

しかしそこに留まるわけではなく、
ふたたび分解されてアミノ酸となり、
尿素などに合成されて体外に失われます。

タンパク質も他の体内物質と同様に
合成と分解を繰り返します。

したがってまとめて摂るのではなく、
タンパク質を含む食品を毎日食べることが、
大切だということになります。