タンパク質の巡りあい

すべての人は、
健康であることを望んでいると思いますが、
健康であるためにはどのようなことに気をつけて
タンパク質を摂ればよいのかと問われると、
なかなか的確に答えることができる人は
多くはないかもしれません。

それは、家族構成や食べ物の好み、
地方独自の味付けなど、
その人が暮らす環境が様々だからです。

したがって、
個人にとって適切なタンパク質の量を
標準化するのは、
たいへん難しいことです。

植物性のタンパク質を多く含んでいる豆腐や納豆、
あるいは牛、豚、鳥など肉を多く食べる人は、
一日に摂取するべきタンパク質の必要量を
満たすことは容易で、
タンパク質の欠乏という問題とはあまり縁がないでしょう。

一方、タンパク質が不足している食生活を送っている人は、
食事で摂るタンパク質の量に注意しないと
問題を招くことになります。

というのも、タンパク質は、細胞膜をつくり、
細胞骨格を形成し、体の骨格、筋肉、皮膚を
構成しています。

タンパク質を構成しているアミノ酸は、
タンパク質合成の素材であるとともに、
神経伝達物質やビタミン、
さらに、酸化されることで
エネルギー源としても利用されいます。

植物性タンパク質を含む豆腐を食べても、
そのまま大豆のタンパク質が
人のタンパク質として
体に取り込まれるわけではありません。

タンパク質は、
いくつかのアミノ酸の集合体です。

大豆のタンパク質は、
アデニンやグアニン、チミンなどのアミノ酸に分解され、
体内で再びタンパク質として構成された後、
筋肉や神経伝達物質、ビタミンなどとして利用されます。

しかしそこに留まるわけではなく、
ふたたび分解されてアミノ酸となり、
尿素などに合成されて体外に失われます。

タンパク質も他の体内物質と同様に
合成と分解を繰り返します。

したがってまとめて摂るのではなく、
タンパク質を含む食品を毎日食べることが、
大切だということになります。


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