15 / 17« 先頭...10...141516...最後 »

ポリフェノールの効能

「赤ワインに入っているポリフェノールは、体に良いから毎日の薬のつもりで飲まなくちゃね」
というワイン好きの決まり文句がありますが、スペインのバルセロナ大学の研究によると、
正しくはアルコールの入っていない赤ワインが体に良いということのようです。

ポリフェノールには、血管の弛緩運動を助け、心臓などの臓器に多くの血液が
流れるようにする働きがありますが、赤ワインに含まれるアルコールは、
むしろ血圧を下げる作用を邪魔しているということです。※1

「赤ワインを健康のために!」という言い訳には、おおいに疑問が残りますが、
ポリフェノールを多く含む食品が、体に良いことは間違いなさそうです。

ポリフェノールを多く含む代表的な食品にチョコレートがあります。

チョコレートには、ポリフェノールばかりでなく、
オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの脂質、食物繊維
も含まれているバランス食品の優等生です。

チョコレートの原料は、ラグビーボール状(20~30cm)のカカオの中にある豆です。

カカオは、赤道周囲の熱帯地方で栽培され、
ガーナとコートジボアールが二大産地となっています。

両国にとってカカオは大事な輸出品で、
欧米のメーカーはコートジボアール産のカカオを多く使い、
日本では、ガーナ産のカカオを7-8割使用しています。

ポリフェノールを多く含むチョコレートには、
様々な効能があることがわかっています。

LDL(悪玉コレステロール)の酸化を抑え、
過剰活性酸素を抑える作用もあります。

カフェインと似た物質のテオブロミンは、体温を上昇させる働きがあるため、
安眠のためのベッドドリンクとして世界中に愛飲者がいます。

もちろん食べ過ぎはいけませんが、
楽しくおいしく健康維持するための栄養補助食品として、
チョコレートを召し上がってはいかがでしょうか?

※1 米国心臓学会(2012年9月6日)Non-alcoholic red wine may help reduce high blood pressure.


4月の紫外線が怖い訳

さすがに4月も中旬になると、温かい日差しをしっかり感じる季節になります。

桜は散りましたが、まだおろしたてでピカピカの制服を着て、
通学する新入生を見かけると、
新しい季節の到来を実感します。

しかし日照時間が長くなるこの時期は、しわやシミの原因となる紫外線対策にも
気を配らねばならない季節の始まりでもあります。

3月の紫外線量は、残暑が残る9月とほぼ同じです。

しかし同じ紫外線量とは言っても、実は3月の紫外線のほうが、
より注意を払わなければなりません。

気温という側面では、3月よりも9月のほうが高いのですが、
重要なのは、前月と比較した紫外線量の増減です。

紫外線の強さは、太陽の南中高度(その日の中で一番太陽が高い位置にある時の角度)と
日照時間に依存します。

太陽の南中高度は、夏至の日が最も高くなります。

年によって夏至の日は違いますが、概ね6月20日前後です。

つまり紫外線と太陽の高さという関係では、6月を中心に5~7月が、
紫外線の強い時期といえます。

ところが、日本人の肌は、日照時間の少ない冬から春へと移る中で、
紫外線に対する順応が、整っていない(紫外線対策があまり必要でない)季節から、
紫外線が増える季節へと移行するため、夏から秋へと移り変わる季節よりは、
冬から春へと移り変わる4月の紫外線のほうが、お肌にとっては厳しいということになります。

一年の中で最も明るく白い春の肌は、紫外線に対して最も無防備な状態にあります。
春先の紫外線対策は、一年の中で一番気を使う必要があるといえるでしょう。


海苔と日本人の相思相愛について

周りを海に囲まれた日本ですから、海から獲れる食材と関わる暮らしは、
はるか昔から継がれています。

多くの方が歴史の授業で習われたと思いますが、
今から約1万6,500年前の縄文時代(じょうもんじだい)の貝塚から
発見される貝殻や魚の骨は、無言ながら雄弁にその事実を示しています。

残念ながら当時、海藻を食べていたという確証はありませんが、
可能性は大いにあるでしょう。

その後702年(大宝2年)執行された大宝律令(※1)には、
租税の対象として海苔が記載されています。

当時の食べ方は、乾燥した板海苔ではなく、生食が中心だったようです。

生で食べられていた頃の海苔は、季節の食べ物でしたが、
現在市販されている板海苔の製法が完成すると、
乾物として保存ができるようになったため、運送も容易になり、
海苔は広く日本で普及します。

千年をこす海苔とのつき合いは、腸内にある細菌にも影響を与えています。

フランスのロスコフ生物学研究所(Station Biologique de Roscoff)の
研究チームは、日本人の排泄物からしか見つからない
腸内微生物(Bacteroides plebeius)が、アマノリ属の海草、
つまり海苔に含まれる多糖類を分解する酵素を持っていることを発見しました。
(※2)

かつて日本人の先祖が、海苔を生のままで食べていたことで、
海洋性バクテリアが持つ分解能力を腸内微生物が取り込んだことが
その原因だと推測されています。

※1:大宝律令が執行された2月6日は「海苔の日」となっています。
※2:被験者になった北アメリカ在住の18人と日本人を比較した結果です。
   Pourquoi les Japonais dige`rent facilement les sushis
   Paris, 7 avril 2010


世界に誇れる海藻文化

日本人にとって海藻を食べるという習慣は、大変馴染みのあるものです。

世界遺産に登録された和食のダシといえば、昆布ですし、
佃煮や昆布巻きのように食材としての主役でもあります。

朝食にパンを食べる方は多くなりましたが、お腹が目覚めるのは、
白いご飯とワカメたっぷりのお味噌汁ではないでしょうか。

軽く炙った海苔とひじきの佃煮、ワカメのおひたしが加われば、
海藻類のオンパレードです。

これらの海藻は、旨味はもちろんのこと、栄養学的な観点からも、
非情に優秀な食べ物と言えます。

その中でもひじきやワカメは食物繊維含有率が高く、
食物繊維を1g摂るために必要な量は、
にんじんなら39g、さつまいもなら43gを食べなければなりませんが、
乾燥ひじきであれば2g、乾燥ワカメならば、2.5gでOKです。

効率よく食物繊維を摂るには、海藻が一番ということになります。

またミネラルが豊富だということも、ひじきやワカメの特徴です。

カルシウムをはじめ、リン、カリウムなどミネラルが豊富に含まれ、
例えば、カルシウムを豊富に含む食品の代名詞ともいえる牛乳と
比較してみると、110mg/100g(ホルスタイン種)に対して、
ひじきには1400mg/100gが含まれますから、
重量比で考えると10倍以上も多く含まれていることになります。(※1)

日本食には欠かせない海藻の素晴らしさは、まだまだあるのですが、
次回は、少し角度を変えた海苔と日本人の長い歴史についてお話しましょう。

※1:文部科学表 五訂増補日本食品標準成分表(本表)

-海苔と日本人の相思相愛についてへ続く-


加齢と体内脂肪の増加

成長期が終了し、エネルギー代謝が安定した一般成人では、
おおむね一日に女性で1,200キロカロリー、男性では約1,500キロカロリー
が必要とされています。

自分の年齢、身長、体重に適合する基礎代謝量(筋肉運動を行わずに
休息した状態で、生命活動を維持するために消費するエネルギー)を
計算するには、少し複雑な計算が必要です。

計算が苦手という人のために、数値を入れるだけで基礎代謝量を
自動的に計算してくれるホームページがあります。

「年齢別 基礎礎代謝量 エネルギー所要量」
というキーワードでインターネット検索を行なえば、
見つけることができると思いますので、ぜひご確認下さい。

さて、加齢に伴い基礎代謝量は、減っていきます。

たとえば、
年齢が20歳、身長が150cm、体重が50kgの女性の場合、基礎代謝量は、1200キロカロリー
年齢が50歳、身長が150cm、体重が50kgの女性の場合、基礎代謝量は、1075キロカロリー
ということになります。

同じ身長と体重であっても、30歳の年齢差は、125キロカロリーの差になります。

ご飯の場合、100g≒およそ150キロカロリーです。

125キロカロリーは、こども茶碗に八分目のご飯と考えて良いでしょう。

年齢を重ねても同じ食生活を続けていたと仮定して、20歳と50歳を比較すると、
こども茶碗に八分目のご飯/一日が、余分ということになります。

この余分なカロリーは、どこに行くのでしょうか?

毎日コツコツと色々なカタチで体に蓄えられていきます。

二の腕や肝臓や下腹や…。

さて年齢差による基礎代謝量の減少にはどのような対策を考えましょうか?

ご飯を減らすか、少なくなっていく基礎代謝量を上げるために何か運動をするか?

ただ黙っているだけでは、カロリー貯金は増えるばかりです。


15 / 17« 先頭...10...141516...最後 »