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4月の紫外線が怖い訳

さすがに4月も中旬になると、温かい日差しをしっかり感じる季節になります。

桜は散りましたが、まだおろしたてでピカピカの制服を着て、
通学する新入生を見かけると、
新しい季節の到来を実感します。

しかし日照時間が長くなるこの時期は、しわやシミの原因となる紫外線対策にも
気を配らねばならない季節の始まりでもあります。

3月の紫外線量は、残暑が残る9月とほぼ同じです。

しかし同じ紫外線量とは言っても、実は3月の紫外線のほうが、
より注意を払わなければなりません。

気温という側面では、3月よりも9月のほうが高いのですが、
重要なのは、前月と比較した紫外線量の増減です。

紫外線の強さは、太陽の南中高度(その日の中で一番太陽が高い位置にある時の角度)と
日照時間に依存します。

太陽の南中高度は、夏至の日が最も高くなります。

年によって夏至の日は違いますが、概ね6月20日前後です。

つまり紫外線と太陽の高さという関係では、6月を中心に5~7月が、
紫外線の強い時期といえます。

ところが、日本人の肌は、日照時間の少ない冬から春へと移る中で、
紫外線に対する順応が、整っていない(紫外線対策があまり必要でない)季節から、
紫外線が増える季節へと移行するため、夏から秋へと移り変わる季節よりは、
冬から春へと移り変わる4月の紫外線のほうが、お肌にとっては厳しいということになります。

一年の中で最も明るく白い春の肌は、紫外線に対して最も無防備な状態にあります。
春先の紫外線対策は、一年の中で一番気を使う必要があるといえるでしょう。


日々の時間の測り方

日本は周りをグルリを海に囲まれている島国ですが、本州、北海道、四国、九州を含め
どのくらいの数の島があるかご存じですか?

なんと日本列島には海岸線の長さが100m以上の島が、現在6,852もあります。

それでは、一番島の数が多い県おご存じですか?

第一位は、971の島がある九州の長崎県です。第二位も九州の鹿児島県で605の島があります。3番目は北海道で508となっています。

日本で一番面積が広い都道府県は北海道ですが、面積では全国37位の長崎県が、海岸線が全国第2位の長さであることは、あまり知られていません。※1

長崎県北部の九十九島をはじめ、県の特徴ともいえるリアス式海岸、そして全国一の島数の海岸線の距離を合計すると、日本の海岸線の総延長の12%にもなります。※2

日本の西端である長崎県の中でも、そのさらに西に浮かぶ五島列島には、大小合わせておよそ140の島々があります。

休日を利用して五島列島で一番大きい福江島に住む友人を訊ねました。

五島で生まれ育った彼は、学校卒業後に家業を受け継ぎ、島々への行商をしています。

島での暮らしですから、近隣の漁師さんとも交流があり、その生業(なりわい)の立て方についても聞く機会があります。

ある漁師さんの仕事は、真鯛の一本釣りです。

収入は風次第、波次第で、出社時間や就業規則などというものはもちろんありません。

彼が狙う東シナ海の真鯛は、鮮やかな体色とクセの少ない食味が特徴で、
一日二匹の真鯛が営業ノルマです。

冷蔵設備などは持たないため、漁獲を達成すればすぐに港へ戻り、
釣果を得意先に発送するれば営業終了。

なんとも不便であり、限りなく自由な生活です。

「すべてを手に入れられるわけではないけれど、
自分が満足するものはすべて手に入る」とは、その漁師さんの弁です。

心配なことは?と尋ねると「一人暮らしで病気した時かなぁ」とポツリ。

大変穏やかな性格である彼の話を聞く度に、生きる時間とは
どのような物差しで測られるものなのかを考えさせられます。

都会ぐらしの人間にとっては、厳しくもあり、また大変羨ましい生き方に思えます。

※1海岸線の長さについて(国土交通省河川局情報調べ)
全国第1位:北海道 約4377km(北方領土を含む場合)
全国第2位:長崎県 約4165km

※2長崎県の海岸線の長さ (長崎県河川課調べ)


お気楽ニホンミツバチのヒミツとは?

明治10年に輸入されたセイヨウミツバチ(A. mellifera ligustica:イタリア亜種)は、
養蜂用ミツバチとして、国内で広く飼育されています。

もともと日本には在来種のニホンミツバチがいました。

江戸時代には紀州藩などで、ハチミツを採取するために養蜂が行われていましたが、
ストレスを受けると巣箱を放棄してよそへ引っ越してしまう、
蜜を集める量が少ないという欠点がありました。

そこで、繁殖能力が高く、比較的攻撃しないセイヨウミツバチが、
輸入されハチミツ生産の主流となりました。

セイヨウミツバチの仕事は、花の蜜を集めるだけではありません。

イチゴやメロンなど果菜類栽培の花粉交配という仕事も担っています。

しかし、2006年に米国で報告された、働きバチが大量に失跡する
原因不明の蜂群崩壊症候群(CCD)が、世界規模の広がりを見せ、
ミツバチの不足によって日本への輸入が止まった事態に陥っています。

そこで野山の片隅に追いやられてしまっていたニホンミツバチが、
改めて見直されています。

というものニホンミツバチは、寒さに強く、
ミツバチに付くダニを自ら撃退し、
セイヨウミツバチに深刻な被害をもたらすふそ病や、チョーク病といった
恐ろしい病気にかかりません。

またミツバチの天敵であるスズメバチを自分たちの体温で蒸し焼きにして
撃退する習性も備えています。

日本の風土に適応し人に見捨てられても、
野山でたくましく生きのびるニホンミツバチは、
遺伝子の資源としても注目を浴びています。


日本にいる2種類のミツバチ

日本には、セイヨウミツバチとニホンミツバチが生息しています。

同じミツバチですから、両方のミツバチの交配種(セイヨウミツバチと
ニホンミツバチが交尾した結果生まれる雑種)も存在しているように考えらますが、
実際には存在しません。

仮説として、嬢王蜂が交配するために巣の外に出て行なう
交尾飛行(ミツバチの交尾は空中で行われます。)の時間帯がズレているため、
交雑( 遺伝子組成の異なる系統間の交配によって、両方の系統の特徴を持つ雑種ができること。)
が起こらないと考えられています。

その根拠として、セイヨウミツバチの交尾飛行は13:00-13:30であり、
ニホンミツバチの交尾飛行は15:00-15:30ということで、
2時間ズレていることが示されています。

しかし現実としては、二つの種類の交尾は起きていると考えるのが自然です。

そこで玉川大学ミツバチ科学研究センターが行なった2種のミツバチの交尾の実験によると、
交尾はするものの、女王蜂が産んだ卵は孵化しないことが解りました。
(※1)

さてセイヨウミツバチは、日本になぜ棲んでいるのでしょう?

日本には、元来ニホンミツバチが生息していたのですが、
わざわざ明治10年に、セイヨウミツバチが輸入されました。

というのも、セイヨウミツバチは蜜を集める能力が高く(ニホンミツバチの4~5倍)、
花の種類ごとの蜜をとることができ、近年では副産物としてプロポリスも収穫できるため
現在飼育されているミツバチは、ほとんどセイヨウミツバチです。

かつては養蜂家もニホンミツバチを飼育していましたが、
強いストレスがかかると、巣を投げ出して逃げてしまうという欠点があり、
蜂蜜を集める能率も優れていませんでした。

なにか働き者でない、のんきなニホンミツバチですが、最近改めて注目されているのです。

次回は、【お気楽ニホンミツバチのヒミツとは?】

-続く-

※1:「ニホンミツバチの社会をさぐる」 玉川大学出版部 吉田忠晴著 ISBN 9784472302862)


嬉しいという漢字

このコラムは日本語で書かれています。

日本語は、漢字とひらがな、そしてカタカナで構成されています。

日本で生まれたひらがなは、「いろは」48文字、漢字に関しては数万を下りません。

漢字は紀元前17世紀頃に、占いの結果を書き記すために使用された
殷の甲骨文字から源を発していますが、その後中国で興隆した国々によって、
様々な意味や読みが加えられながら数を増やし、
朝鮮半島からやってきた渡来人や遣唐使たちによって日本へ伝えられたとされています。

数度にわたって伝えられた結果、同じ漢字でも二つの読み方が存在するようになり、
これは日本語を勉強する外国の人にとっては、かなり厄介な問題となっています。

例えば「正」の音読みは「しょう」あるいは「せい」です。

正月(しょうがつ)正解(せいかい)といった具合です。

また日本で独自に作られた漢字もあり、中国の人は知りません。

風が止まった状態を表す「凪」、山道の頂上を表す「峠」など、
「なるほど!」と納得する漢字もあります。

漢字は、ものの形を表す絵文字(象形文字)も多く、山や川という漢字は、
絵を文字にした基本形です。

また二つの意味を並べて表現する漢字もあります。

「好」という字は、女の人が子を抱いている様子から生まれたものです。

その様子を見る人は、きっと好ましい心になったからでしょう。

嬉しいの「嬉」は、女の人の横に喜ぶという字が並んでいます。

きっとこの漢字を発明した人は、
「うれしいという感情を表す文字はこれで決まりだ!」と、
後世の人達に伝えたかったのでしょう。

私達はこの文字をできるだけ多く、また先人の知恵に思いを馳せて、
感謝しながら使わなければならないのです。

女の人が喜ぶ時代ほど素敵な世はありません。


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