日々の時間の測り方

日本は周りをグルリを海に囲まれている島国ですが、本州、北海道、四国、九州を含め
どのくらいの数の島があるかご存じですか?

なんと日本列島には海岸線の長さが100m以上の島が、現在6,852もあります。

それでは、一番島の数が多い県おご存じですか?

第一位は、971の島がある九州の長崎県です。第二位も九州の鹿児島県で605の島があります。3番目は北海道で508となっています。

日本で一番面積が広い都道府県は北海道ですが、面積では全国37位の長崎県が、海岸線が全国第2位の長さであることは、あまり知られていません。※1

長崎県北部の九十九島をはじめ、県の特徴ともいえるリアス式海岸、そして全国一の島数の海岸線の距離を合計すると、日本の海岸線の総延長の12%にもなります。※2

日本の西端である長崎県の中でも、そのさらに西に浮かぶ五島列島には、大小合わせておよそ140の島々があります。

休日を利用して五島列島で一番大きい福江島に住む友人を訊ねました。

五島で生まれ育った彼は、学校卒業後に家業を受け継ぎ、島々への行商をしています。

島での暮らしですから、近隣の漁師さんとも交流があり、その生業(なりわい)の立て方についても聞く機会があります。

ある漁師さんの仕事は、真鯛の一本釣りです。

収入は風次第、波次第で、出社時間や就業規則などというものはもちろんありません。

彼が狙う東シナ海の真鯛は、鮮やかな体色とクセの少ない食味が特徴で、
一日二匹の真鯛が営業ノルマです。

冷蔵設備などは持たないため、漁獲を達成すればすぐに港へ戻り、
釣果を得意先に発送するれば営業終了。

なんとも不便であり、限りなく自由な生活です。

「すべてを手に入れられるわけではないけれど、
自分が満足するものはすべて手に入る」とは、その漁師さんの弁です。

心配なことは?と尋ねると「一人暮らしで病気した時かなぁ」とポツリ。

大変穏やかな性格である彼の話を聞く度に、生きる時間とは
どのような物差しで測られるものなのかを考えさせられます。

都会ぐらしの人間にとっては、厳しくもあり、また大変羨ましい生き方に思えます。

※1海岸線の長さについて(国土交通省河川局情報調べ)
全国第1位:北海道 約4377km(北方領土を含む場合)
全国第2位:長崎県 約4165km

※2長崎県の海岸線の長さ (長崎県河川課調べ)


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