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準備体操と整理体操の意味とは?

なにかスポーツを始める前に
準備体操を行ない、
終了後には当たり前のように
整理体操を行ないますが、
その目的とは何でしょうか?

準備運動を英語では
ウォーミング・アップ(warming up)と言います。

いきなり全力で運動を始めることは大変危険です。

開始前に軽い運動をして
体の調子を整える目的で
準備運動をする必要があります。

その理由としては、
体温を上げることで肺や筋肉における
酸素と二酸化炭素の交換をスムーズして、
神経と筋肉とのバランスとることや、
関節の動かすことで、運動中のケガを予防ためです。

整理運動を英語では
クーリング・ダウン(cooling down)といいます。

運動直後の疲労を回復する手助けが
主な目的です。

「有酸素運動」のプログラムとして
エアロビクスを提唱したK.H.クーパー博士は、
かつて100 人の男性を限界まで走らせた後に、
その場に立たせておいたところ、
17人が失神してしまうという事がありました。

運動後の体調を整える体のクーリング・ダウンが
行われなかったためです。

その後博士は、
長距離走の競技会では、
ゴール地点を更衣室と離れた場所に設置することを
提唱しました。

競技を終終えた選手が、
更衣室まで軽くジョギングしたり、歩いていくことで
自然とクーリング・ダウンできるからです。

準備体操は、
運動に備えて体をほぐすことで
運動中の障害を予防するために、
整理体操は、
運動後に蓄積された疲労物質の除去をサポートし、
疲労回復を早めるために行なうということです。

運動を長く続けるためには、
十分な準備体操と整理体操が必要だということになります。

栄養補給


誰にでもある第二の心臓

強靭な心臓を持ったタフなアスリート、
心臓に毛が生えた様な度胸満点のヤツなど、
休むことなく働く心臓は、
強く逞しい象徴としてイメージされています。

人を含め動物には、
心臓がひとつしかありません。

しかし、心臓と同じ働きをして、
血液を送る働きを持つ
第二の心臓とも呼べる場所があります。

それは、ふくらはぎです。

脚と脊椎を垂直に立てて行う
直立二足歩行を始めた人の祖先は、
大きな脳を包む頭蓋骨を
その上に乗せることができるようになり、
その結果、現在のような高度な文明を
築くことができました。

しかし、4本足歩行の動物と比較すると
体の高い位置に心臓があり、
また足先と心臓の高低差を補うためには、
様々な肉体の進化が必要でした。

そのひとつが静脈の内部にある
逆流防止の弁です。

逆流防止弁の役割を例えるならば、
灯油を石油ストーブに移すときに使う
ジャバラの手動ポンプとでも言えるでしょう。

ふくらはぎの中にある静脈は、
ジャバラが灯油を送り出すように、
ふくらはぎの筋肉が収縮することで、
血液が重力に逆らって、
心臓の方へピュッと送り出されます。

次にふくらはぎの筋肉が弛緩すると、
ストローで吸い上げられるように、
末端の血液が吸い上げられます。

牛の乳搾りにも例えられるこの作用は、
英語では「ミルキングアクション」と
呼ばれています。

筋肉ポンプは、
ふくらはぎの筋肉以外にもあります。

肩こり解消のためにプールで泳ぐと、
肩回りの筋肉ポンプが働き、
肩に滞った血液が流れるようになります。

したがって疲労物質が体に溜まっている場合には、
家で動かずにゴロゴロとせず、
散歩などをすることで、
ふくらはぎや肩周りの筋肉ポンプを動かし、
全身の血液の流れを活発にすれば、
疲労物質を肝臓へと運ぶ手助けができます。

体を動かすことで筋肉ポンプが活用され、
疲れが取れるということになります。

せっかく持っている第二の心臓ですから、
しっかり動かして有効に使いたいものです。


貧乏ゆすりは、第二の心臓

心臓は、1日10万回以上の拍動によって、
体全体に血液を送り出す働きをしています。

その心臓から送り出された血液を、
重力に逆らって再び心臓に戻す
ポンプの役目を果たしているのが、
足です。

人間の場合、
全筋肉の3分の2が腰から下にあります。

筋肉には、静脈血の毛細血管が張り巡らされ、
歩くたびに、筋肉が収縮して、
重力に逆らって血液を
心臓へと運び上げています。

しかし、下半身の筋肉が
あまり動かなくなると、
ポンプとしての機能が弱まり、
血行が悪くなってしまいます。

血行不良は、
冷え性や脚のむくみなどにつながります。

足は第二の心臓とも言われていますが、
その機能を十分生かすためには、
足の筋肉を動かすことが肝心です。

もちろん特別な運動をしなくても、
ただ歩くだけでも十分良いのですが、
長時間乗り物に乗っていたり、
デスクの前に座っていたりと、
歩く機会が極端に少なくなることもありますね。

そのような時に、
手っ取り早い方法として、
貧乏ゆすり運動があります。

座ったままでできる運動ですから、
暇な時に手軽のでき、
しかも血行改善の効果も期待できます。

ただし、貧乏ゆすりは、
周囲からするとかなり迷惑に感じる動作です。

隣に座った人の貧乏ゆすりは、
振動が伝わってきて、
こちらまで落ち着かなくなります。

無意識に貧乏ゆすりをしている時は、
何らかのストレスを感じている時なのです。

爪を噛んだりするのと同じように、
強いストレスを回避するための行動とも言えます。

貧乏ゆすりは、精神的にも、身体的にも、
ある意味、必要な動作なのです。

時と場所を考えて、健康のために
自発的に取り入れてみるのもてはどうでしょうか。

最近では、
足を動かしづらい高齢者の方のために
貧乏ゆすりをしてくれる健康機器も
登場しています。

これなら機械にまかせて、
堂々と貧乏ゆすりが簡単にできます。


静脈の流れを促すふくらはぎ運動

年齢や性別、身長や体重によって異なりますが、
人間の体の約60~70%は水分で満たされています。

この水分は、
体液として血液や細胞の間に入って
生命維持のために、
さまざまな役割を果たしています。

体内の水分は、
そのままそこに留まることはなく、
汗や尿として排出されるため、
失われた水分を補給しなければなりません。

飲まれた水は、胃から十二指腸、小腸、大腸へと
移動する中で、
多くは小腸や大腸で吸収され、
血液へと移行します。

体をめぐる血液は、
心臓のポンプ作用で、
動脈を流れて全身へ運ばれます。

勢いよく流れる血液の勢いに耐えるため
動脈は、分厚い構造の壁をもっています。

末端まで辿り着いた血液は、
逆流防止用の弁が付いている静脈を通り、
二酸化炭素や老廃物を含む血液を
心臓へと押し戻していきます。

動脈と比較すると、静脈血管の壁は薄く、
しかも静脈の細胞は、
年齢を重ねるとともに弾力性が低下します。

弾力性が失われた静脈の血管壁は、
血液の流れが滞ると、
その太さが広げられて、
静脈瘤ができる可能性が高まります。

特に下半身の静脈血は、
重力に逆らって流れなければならないため、
その流れが滞らないよう、
スムーズに血液を移動させることが大切です。

そのための大きな役割を果たすのが、
第二の心臓とも呼ばれている
ふくらはぎの筋肉ポンプ作用です。

歩いたり、マッサージなどをすることで、
静脈の血液の流れをサポートすることもできますが、
手軽な方法の一つとして「貧乏ゆすり」があります。

作法としてはあまり良くないイメージを持つ
貧乏ゆすりですが、
貧乏ゆすりによるふくらはぎの運動は、
下半身の血液の流れを促す、
効果的な方法といえます。


下肢静脈瘤の予防に貧乏ゆすり

足の血管が浮き出たり
血管の色が浮き出て外見が悪くなり、
そのために人前で足を見せることに気が引けて、
スカートがはけなくなったり、
最悪の場合、腫瘍化する場合もある
下肢静脈瘤という病気をご存知でしょうか?

朝起きた時には、
なんともないのですが、
夕方になると仕事がつらくなるほど
足がだるくなる、重い、火照るという症状があれば、
下肢静脈瘤の疑いがあります。

看護師のように
毎日立つ姿勢の仕事が多い女性に
多く見られます。

これは、ふくらはぎの筋肉によって
足の血液を心臓へとスムーズに
押し上げられていないことが原因で、
足を重く感じたり、
疲れやすいといった症状を感じるのです。

特に足首、足の甲やすねに
むくみがみられるケースが多く、
すねの皮膚を指で押してみて、
指の形が残れば、
むくみがあるということになります。

また統計的に下肢静脈瘤の人は、
足に疲労が蓄積されていることで、
夜間や夜明けにこむら返りを起こす傾向が高いことが
報告されています。

下肢静脈瘤の予防や改善には、
ふくらはぎの筋肉を動かすことが有効です。

ふくらはぎの筋肉は、
静脈の血液が流れるための
重要なポンプとしての役割を担っています。

ふくらはぎの筋肉が衰えると
歩く速さが遅くなり、
地面を蹴る力も弱くなります。

したがって、ウォーキングなどで、
ふくらはぎの筋肉トレーニングをすれば
ポンプの性能が改善され、
血液を送り返す能力も増します。

なかなか外出ができないならば、
貧乏ゆすりが
下肢静脈瘤予防のための
筋肉トレーニングとして
効果的です。

これは、貧乏ゆすりをすることで
静脈血の流れを担っている
ふくらはぎの筋肉をしっかり動かすことが
できるためです。


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