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「只」ではない貴重な日本語

日本語の不思議さは、
それぞれの漢字の意味を組み合わせることで、
新しい言葉を作り、
元の意味からは想像できないような
新しい意味を生み出すことです。

アルファベット26文字を使用する言語とは、
言葉を作る過程が違った言語と言えます。

例えば
「只者ではない」
「お母さん只今」
「只で手に入れる」
という表現で使われる「只」という言葉は、
使う場面が随分違います。

「只」のもともとの意味は、
「何事もない」ということです。

「只の勘違いでした。」
などの言葉として使います。

何事もないということが、
お金がかからないという意味へと
転用されて新しい言葉が派生します。

「この事務所の使用料は只です。」
といった具合です。

価値や行為の提供において、
与える人が、お金やその対価を
何も求めないという意味になります。

また、何事もないという意味から、
「彼は只の管理人だ。」
「今は只、皆が無事でいるように祈るだけだ。」

さらに、無いということは、
ほとんどない少ないという事とも似ていますので
ほぼ無いということを強調するために、
「グチは只の一度も言ったことがない。」
「只ひとつだけお願いがあります。」

この少ないという意味を
今という時間の表現に付けると、
只今という言葉になります。

「只今の時刻は12時10分です。」
瞬間を表現する、
「只今お持ちします。」
現在よりもわずかに先のことを伝えるためにも
使うようになります。

外出から帰った時のあいさつである
「ただいま」は、
「只今帰りました。」の省略形です。

いつの頃から使われていたか?
ということは定かではありませんが、
日本語の進化の歴史が
言葉の端々に重ねられています。


日本発祥の実験器具

日本人が世界の発展にどの程度貢献したかという物差しの一つが
ノーベル賞の受賞者の数ではないでしょうか。

2015年9月現在で、22人が栄えあるノーベル賞を受けています。

その中でも自然科学系の受賞者は19名と圧倒的に多く、
物理学賞10名、科学賞7名、医学生理学賞2名となっています。

しかしノーベル賞の受賞者とはならなかったものの、
ペスト菌を発見した北里柴三郎、
黄熱病の解明に人生を捧げた野口英世をはじめ、
世界の発展のために貢献した科学者も少なくありません。

実験器具の分野でも、安全でユニークな器具が世界で使われています。

1920年代(大正時代)に東京都立駒込病院の院長であった
二木謙三が開発した実験器具は、
今でも世界中で使われています。

駒込ピペットというスポイトの一種です。

ほとんどの人が学生時代にこの名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。

1~20mlほどの液体を、ガラスの細管に吸い上げて
他の容器へはかり取る器具です。

スポイトの少し大きめの器具という位置づけの
駒込ピペットは、ガラス管の上3分の1ほどのところに、
誤使用を防ぐために設けられた吸引調整用の膨らみがあります。

現在の駒込ピペットは、吸い込み口に当たる部分に
ゴム製の乳頭がついていますが、
もともとピペットは液体を口で吸い上げる器具だったため、
伝染病患者などから採取した検体を吸うには、危険を伴いました。

そこで、ガラス管の途中に
安全球と呼ばれるガラス管の膨らみを付ることで、
誤飲を防ぐことができるように改良したのです。

駒込ピペットは、その後世界中で使用されるようになり、
英語でも日本語そのままの名称である「Komagome Pipette」と呼ばれています。

安全を考慮した実験器具として、教育現場でも広く使われています。


太平洋と大西洋

夏休みもいよいよ大詰めとなり、
夏休みの宿題をまだやり残している子供たちは、
ラストスパートというところでなないでしょうか。

健康とは少し話題がそれますが、閑話休題。

私達の住む日本は、周りを海に囲まれた島国です。

東に広がるのは、太平洋です。

一方、ヨーロッパの島国であるイギリスも
大西洋という大きな海に面しています。

太平洋も大西洋のいずれも大きな海ですが、
なぜか太平洋には「大」ではなく「太」が使われているのか
ご存知でしょうか。

太平洋のことを英語では、
「Pacific Ocean」と言います。

名付けたのはマゼランです。

1519年、日本では室町幕府の内戦が続いていた時代に、
ポルトガル人の航海者であるマゼランは、
スペイン王の命令で世界周航を試みます。

ひたすら西へと進んだ船団は、
荒れ狂う南アメリカ最南端を回遊します。

その後、平穏な航海がしばらく続いたということで
その広大な海を、太平の海:Mare Pacificum
(英語ではPacific Ocean)と名付けます。

大きいということではなく、
「太平な」、つまり穏やかなという意味から、
日本語では「太平洋」と表現するようになりました。

一方、日本語で言うところの大西洋は、古来、
中国ではヨーロッパのことを西洋と呼んでいました。

そこでヨーロッパ(西洋)の大きな海という理由で、
大西洋と呼ばれるようになったようです。

太平洋と大西洋のいずれも「たい」という読み方をしますが、
その由来は、世界の歴史に基づいたものだったわけです。


打ち水の活用

焼け石に水ということわざがあります。

熱くなった石にわずかな水をかけたとしても、
水はすぐに蒸発してしまう。

つまり問題解決のためのわずかな努力では、
効果はあまり期待できないという意味です。

ここ数日のカンカン照りは、この表現そのものです。

夏の暑い日差しのために
アッチッチに焼けた地面に水をかけても、
効果があるようにも思えませんが、
それでも何かしら手立てはあります。

その一つが「打ち水」です。

打ち水は、江戸時代の頃から庶民の間に浸透したと伝えられている
暑さを和らげるひとつの方法です。

本来の「打ち水」とは、
お客様を迎えるために場を清めるという意味でしたが、
夏の打ち水は、文字通り、
水をまくことで、地表から蒸発する際の気化熱の原理(※1)を
経験的に利用して涼しくする暮らしの知恵です。

水は蒸発するために、熱が必要です。

液体の状態の水が蒸発して気体の水蒸気になる際に、
周りから熱を奪い取ります。

皮膚を擦りむいた場合に、
消毒のためにアルコール綿で
肌の表面を拭くとその部分がひんやりします。

液体のアルコールが気体のアルコールに変化して
蒸発する際にヒンヤリする感じと同じです。

ただし、やみくもに水をまけば良いというわけでもありません、

真上から太陽が照らす昼間でも、
あるいは日の出、日の入りの頃でも、
原理として同様に温度は下がりますが、
体感的に涼しさを感じるのは、
日が昇り気温がぐっと上昇する午前中や、
日が沈んで暗くなる頃です。

ゆっくりと蒸発すれば、
涼しさを長く感じることができますから、
窓辺のプランターや庭の花壇に打ち水をして、
植物が吸い上げた水をゆっくりと蒸散するのを
利用するという方法もあります。

また、窓に取り付けてあるすだれや家の壁に
打ち水するのもそのひとつです。

※1:気化熱の原理
気化熱とは1gの水(液体)を全部気体にするために
必要な熱量のことです。

気化熱は気温によって異なります。
水の場合、
1気圧で100℃のときの気化熱は539cal/g、
20℃では586cal/g、
0℃では596cal/g
の熱量を必要とします。


信号機の色は青?緑?

青春という言葉は、
戸惑い・悩み・学びながら、
今だ未熟で完成されてはいないけれど、
多くの知識を吸収し生涯において、
元も若く元気な時代、
という意味含む素敵な日本語です。

この時期の色を表すには、
白や黒でもなく、黄色でも赤にもない
爽やかな印象を持つ青がピッタリです。

日本語には、
若々しい、生き生きしている、みずみずしいものを
青という色で表現する文化があります。

たとえば野菜や果物を表現する青果という言葉もそうです。

野菜の色といえば、
ダイコンの白、ニンジンの赤、かぼちゃの黄、
そして一番多い色と言えば緑の葉物です。

青ネギ、青りんご、青トウガラシ、青ムギ、
などなど不思議なことに葉の色は緑色なのに青物野菜です。

現代の色の表現としては、緑色なのですが、
呼び方としては青なのです。

青果≒新鮮な野菜や果物という表現がふさわしいのでしょう。

これは日本語の言葉が伝わってきた歴史に由来しています。

古来、色の概念は、白、黒、赤、青の4つしかなかったと言われています。

何も色がないという意味の「白」、
色がくすんで白ではないという意味の「黒」、
赤や橙色、黄色など暖色系を表す「赤」、
青や緑色、紫色も含み寒色系を表す「青」です。

日本語の色の表現にもその名残りがあります。

色の表現で、
白い、黒い、赤い、青いという言葉はありますが、
茶い、黄いはありません。

茶色い(ちゃいろい)、黄色い(きいろい)という言い方になります。

さて、信号機の「進め」の色は何色?と問われれば、
緑色のライトではあっても、やはり「青」なのでしょう。

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食物繊維をはじめ、ビタミン、鉄分、カルシウムが豊富な大麦若葉や、
抗酸化作用カテキンをもつ抹茶、クロロフィルを多く含むよもぎが
原料として使われています。

また、食物繊維の働きを助ける還元麦芽糖や
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さっぱりとした飲み口とほのかな甘さの「やまだの青汁30」には、
青野菜の栄養が丸ごとそのまま入っています。

毎日の野菜不足解消にお役立てください!


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