梨に死角ナシ

秋といえば、
実りの季節ですが、
その中でも果物は、
一番美味しい季節です。

ぶどう、柿、イチジクなど美味しい果物がある中でも、
一番人気は、梨ではないでしょうか。

梨はバラ科の植物で、
大きく分類すると、
和梨(豊水、幸水、二十世紀など)、
中国梨(日本では一部の地域でのみ栽培)、
洋梨(ラ・フランス、バートレットなど)に分けられます。

登呂遺跡から和梨の種が見つかっていることから、
弥生時代には食べられていたと考えられます。

江戸時代には、
品種改良が行われ、
100種ほどの和梨が栽培されていました。

果汁の多さと共に、
シャリシャリという歯ざわりは、
美味しさのポイントのひとつですが、
このシャリシャリは、
石細胞と呼ばれる硬い細胞があるためです。

梨の果肉の細胞にリグニンという物質が蓄積して、
細胞の壁が厚くなったものが石細胞で、
大切な種子を守る役割を果たしています。

石細胞は、
便秘解消に効くともいわれ、
漢方薬として使われています。

梨には、
夏バテ解消、
熱を下げる、
のどの痛みを緩和させる
といった効能もあります。

また、韓国料理では、
すりおろした梨が使われます。

これは、梨に含まれている
タンパク質分解酵素が、
肉を柔らかくするためです。

梨が持つ殺菌効果も、
韓国料理によく利用される理由です。

生食で美味しく、
健康に良く、
料理の素材としても素晴らしい梨には、
死角ナシということになります。


新米を味わう前に

「秋は…、」という枕詞で、
まず思い浮かぶのは、
「実りの秋」ではないでしょうか?

特に日本の場合、
米を主食とする歴史が、
数千年の永きにわたって続いています。

そのため、ほとんどの祭事は
お米作りと強く結びついています。

お米作りは、啓蟄(けいちつ)頃、
春まだ浅い頃から始まります。

水温む前からよく耕し、
肥料を入れて、
早苗を育てる準備を整えます。

代掻き(しろかき)が終わった田に、
整然と植えられた苗が並んでいる様子は、
桜の花と同様に、
日本人の春の風景と言えます。

苗の成長には、
水の管理が大切です。

水が少なければ根は枯れ、
水が多過ぎれば根は腐る、
長年の経験が必要な仕事です。

また、根をよく張らせるためには、
過不足なく肥料を施し、
病害虫の駆除から畦の雑草刈りにも
気を配らなければなりません。

収穫の時期が近づけば、
気象図を見ながら稲刈りに適した日を
予想します。

田に引く水路を整備する土木技師であり、
機械の手入れができる整備士であり、
稲を観察する植物学者であると同時に、
先の天気を見極める気象予報士でもあります。

美味しいお米を作るためには、
百の仕事をこなさなければなりません。

農家が百姓と呼ばれる所以です。

新米が出回るこれからの時期、
厳しい自然と向き合い、
よく育ててくれたお百姓さんに
思いを馳せて食すれば、
お米は、「格別の秋のごちそう」
と言えるのではないでしょうか。


中秋の名月の団子とは?

今年の夏は、気圧配置の影響で雨が多く、
日本各地で水の災害が多い年でした。

いまだ復旧作業が続く被災地もあり心痛みます。

早く元の生活に戻れることを願うばかりです。

9月に入り少しはスッキリした晴れの日が
やってくるかと思っていましたが、
まだ雨の多い洗濯物の乾かない日々が、
続いています。

それでも夜に聞こえる虫の声が
秋の入口に向かっていることを、
知らせています。

古(いにしえ)の日本人は、
9月のことを長月(ながつき)と呼んでいました。

秋を迎える頃、日の入りの時刻が早くなって、
次第に夜が長くなり、夜長月(よながつき)が略されて、
長月となったと伝えられています。

夏と比べると秋は、気温、湿度も共に低くなるため、
月を見るには最適です。

日本のような農耕民族にとって、
規則的に満ち欠けをする月は、
古来から、暦(こよみ)として重宝されてきました。

田に植える早苗の準備や稲刈りの目安も、
月の巡りを頼りにしてきました。

旧暦の8月15日(中秋の名月)の夜に、
このように農耕に役立つお月様に感謝の意を込めて、
収穫した農作物やお団子をお供えするようになりました。

今年(2014年)の中秋の名月は、9月8日(月曜日)です。

きっと綺麗な月が見えるよう、
少し早めにお月様にお願いします。


ウィーンの音楽の殿堂

ここ数日、朝夕の気温は、
すっかり秋めいてきたようです。

8月の終わりは、夏休みの終わりであり、
季節の上でも一区切りということになるのでしょう。

残暑はまだ覚悟しなければならないでしょうが、
秋を迎える楽しみはもう始まっています。

秋といえば、様々な文化的な行事が世界中で開かれます。

収穫の秋でもありますから、
楽しみ満載の季節です。

言わずと知れた音楽の都ウィーンでも、
続々とクラッシックコンサートが開催されます。

その中でもウィーン楽友協会(Wiener Musikverein)の
黄金ホール(Goldener Saal)で開かれる
「ディライトフル・ウィーン」は、
大変由緒ある人気のコンサートです。

世界的には、
ウィーンオペラハウスの方が有名ですが、
ウィーン楽友協会は、客席は少ないものの、
ここを本境地とする
ウィーン・モーツァルト・オーケストラの演奏は、
世界屈指と評されています。

「ディライトフル・ウィーン」のコンサートは、
楽団員が歴史的な衣装やウィッグを着用するなど、
特別な雰囲気を持つコンサートでもあります。

このホールの歴史は古く、
1870年に完成しています。

注目すべきは、
音楽ホールばかりではありません。

緋色のカーペットが敷かれているエントランスからフロント、
そしてゆるやかに続く回り階段を登れば、
マリア・テレジアが栄華を誇ったハプスブルグ家全盛の時代へと
タイムスリップできそうです。

毎年元旦に全世界にテレビ中継される、
ニューイヤーコンサートが開催されるのは、
ウィーン楽友協会の黄金ホールです。

輝く黄金のカリアティード(建物の梁を支える女人柱)や、
楽器の音が理想的に響くように設計されたホールは、
音楽のためだけに創られた音の殿堂といえるでしょう。


美人の湯の正体

環境省が発表した温泉地の数(2012年)は、
およそ3,000カ所と発表されています。

温泉の数は、都道県の温泉台帳の登録され、
そのデータは、環境省に温泉の戸籍として、
統計的にまとめられています。

昭和37年から統計が開始されて以来、
およそ50年の間に2倍に増えています。

突然温泉が湧き出したといった夢の様な話はほとんどなく、
ボーリングによって、温泉の数が増えた
というのが実際のようです。

逆に考えると、それだけ日本人には、
温泉を求める執念があるということなのかもしれません。

別府のように湧出量が豊富な温泉地であれば、
毎日温泉を利用することもできるのでしょうが、
ほとんどの家庭では、自分の家のお風呂に入ります。

自宅で温泉気分を味わいたいという人は、
温泉の成分が配合された入浴剤をお風呂に入れるなどして、
楽しみます。

伊豆の湯、箱根の湯など有名な温泉地のラベルに惹かれますが、
特に女性の方であれば、美人の湯と付けられた入浴剤は、
かなり魅力的です。

では、美人の湯の条件とはどのようなことでしょうか?

美人の湯といわれる温泉は、肌の老廃物を洗い流し、
湯上りのお肌はしっとりでスベスベということが基本です。

そのような効果が期待できる温泉のほとんどは、
重曹泉(炭酸水素物泉Ⅱ・Na炭酸水素物泉)です。

地下から湧出するときは必ずしもアルカリ性ではありませんが、
地熱で沸騰されると、溶けている炭酸ガスが放出され、
お湯自体はアルカリ性を示します。

血行を促進して血管を拡張する、
また皮膚の表面を柔らかくする効能があります。

重曹といえば、
キッチンの万能洗剤である重曹を思い出しますが、
その正体は「炭酸水素ナトリウム」、
「ナトリウム炭酸水素塩」で、重曹泉の主成分と同じものです。

重曹は非常に弱いアルカリ性に分類され、
少し触ったくらいで大事にはなりません。

ベーキングパウダーとしてケーキ用に使用されていますし、
歯磨きに利用する方や、
胃薬として利用している方もいます。

もちろん入れ過ぎは禁物ですが、
重曹を一握りほどお風呂に入れれば、
気軽に美人の湯を体験できます。