冬の炭酸は飲まずに入るが◎

寒さが一段と厳しくなり、関東では記録的な降雪で首都圏全体が
冷凍庫にすっぽり入った状態です。

こんな時には、ほっこり温まる温泉に入って手足の先まで温まりたいものです。

そこで今日は、九州の名物温泉とその人気の理由についてお話しましょう。

大分県の竹田市に炭酸泉として有名な長湯温泉があります。

炭酸と聞けば、ハイボールに使われる炭酸水を思い浮かべる方もいらっしゃる
でしょうが、長湯温泉では、温泉に炭酸ガス(二酸化炭素)が溶け込んでいます。

しかも『日本一の炭酸泉』を宣言するほどガス濃度・温度・湧出量に優れています。

私も長湯温泉をしばしば訪れて、露天の炭酸泉に入りますが、数分もすると
体中が小さな気泡に覆われるほどの濃度です。

ヨーロッパでは昔から、炭酸泉は医学療法に用いられています。

その効能は、新陳代謝が活発になる、エネルギー代謝が増える(温泉に入るだけで
運動した場合と同じ結果が期待できる)、血圧が下がる、心臓への負担が少なくなるなど、
循環器系疾患に対する治療やリハビリに重用されています。

ぬるめの炭酸泉にじっくり入浴すると冷え性の改善にも効果的です。

もちろん医学療法ばかりでなく「炭酸ガス効果」によって、
皮膚に近い毛細血管や細動脈に炭酸ガスがしみこみ、血管が広がることで
血流が改善され、温まった血液が体全体を流れますから、芯から温まり、
温泉から上がっても体がポカポカということになります。

また炭酸泉は、重炭酸イオンや炭酸ガスが胃や腸の粘膜を刺激するため、
胃腸の煽動を促進する効能も期待できます。

古くからヨーロッパでは炭酸水を飲む習慣があり、絶世の美女クレオパトラも
炭酸を愛飲していたという言い伝えがあります。

寒さが一番厳しいこの時期に、小さな泡がまとわりつく不思議なポカポカ体験を
試されてはいかがでしょうか?


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