なべ料理のうま味ダブル効果

寒い時期の定番メニューといえば、
なべ料理ですが、
この料理には人間の味覚を満足させてくれる
ダブルな効果が隠されていることをご存知でしょうか?

うま味物質として、
グルタミン酸、イノシン酸などが、
広く知られてます。

こんぶ、緑茶、トマトや白菜には、
グルタミン酸が多く含まれています。

イノシン酸は、にぼし、かつお節、
鯛や豚肉に多く含まれています。

イノシン酸、グルタミン酸のいずれも、
うま味物質ですが、
単独で使うよりも、
グルタミン酸とイノシン酸を
組み合わせることで、
うま味を飛躍的に強く感じることができます。

簡単な実験として、
ごく薄味にした
昆布だし(A)とかつおだし(B)を
違うコップに入れておきます。

まず、A→Bの順にあじ味すると、
後で飲むかつおだしの時に
強くうま味を感じます。

次にB→Aの順で飲むと、
今度は、こんぶだしを飲んだ時に
強くうま味を感じます。

これは日本料理人の間では
経験的に広く知られている、
うま味の相乗効果のためです。

西洋料理でも、
玉ねぎ(グルタミン酸)などの野菜類と
牛スネ肉(イノシン酸)を一緒に煮込む
スープの「フォン」に
この効果が使われています。

したがって、
何気なくなべ料理の材料として使っている、
下味を出すためのこんぶ、
具材として入れる白菜と豚肉、
おまけに、
これまたうまみ成分であるグアニル酸を
多く含むしいたけを基本として、
さらにお気に入りの具材も投入すれば、
完璧な「うま味料理」が出来上がります。

今夜あたり、
この「うまみダブル効果」を知った上で、
なべ料理に舌鼓をうたれてはいかがでしょうか。


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