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脊椎はバランス棒?

前回お話したように、
(→四角顔たるみ顔の原因
脊椎は、頚椎(7個)、胸椎(12個)、腰椎(5個)が
微妙なS字カーブを描きながら、
バランスよく縦に重ね上げられた積み木のようです。

ほぼ99%の哺乳類が、
四本足で歩くことを続けているのに、
ヒトだけはそれをやめて久しいです。

その結果、
重量5~6キロもある頭を支えることができ、
様々な道具や機械を操る
地球上で唯一の動物になりました。

その反面、
だるま落としの積み木のように
緩やかに積まれた24個の骨は、
管理の仕方によっては、
バランスを崩して
様々な身体の不調を招いてしまいます。

肩がこる。
首が痛い。
頭痛がする。
寝違いをする。
手のしびれや自律神経失調症など
数え上げれば切りがありません。

二本足て歩いていますので、
休むとなると畳の上やイスに座る事になります。

しかし座っている時でも、
24個の骨は姿勢を保つために
バランスをとっています。

前かがみの姿勢や足を組むなど
生理的弯曲が偏るような姿勢で座り続けると、
ヒザ、腰、首などに歪みが蓄積され、
先程のような症状が現れます。

短い期間であればさほど問題もないように思われますが、
何年、何十年もの習慣となると、
気が付かないうちにダメージは蓄積されます。

その予防のためには、
負担のない座り方を日頃から
心がけることが大切になります。

正しいイスの座り方としては、
お尻を背もたれに付くくらいまで深く座り、
背もたれを利用し、骨盤を起こした状態を保ちます。

仰け反らず、
また前かがみにならないように、
頭が頚椎に乗っている意識を持ちながら座ると
長い時間座っていても
首や肩への負担は軽減されます。

また逆に、浅く座る方法もあります。

イスの座面の手前に浅く座ります。

イメージとしては、
チョコンとイスの縁に座る感じです。

姿勢は、
同じように反らず前がかりにならずです。

いずれの座り方も、
立った姿勢と同じように、
背骨の弯曲を維持して座る
ということになります。

床に座る場合は、
正座が一番立っている時の生理的弯曲を
維持できますが、
長い時間では足がしびれますし、
ヒザに問題を抱えている方にとっては、
無理な座り方です。

あぐらは、足が楽でも、
腰への負担がかかり、
股関節が外側に回ってしまうので、
骨盤にゆがみが出てます。

もともと人のカラダは
立った姿勢の時が、
最も生理的弯曲に無理がないように
デザインされているので、
床に座るときにはいずれかの箇所に
無理がかかります。

座椅子を利用し、
足を伸ばす座り方が、
生理的弯曲を比較的に保てます。

休むために座るのですが、
座ることが疲れる原因になるという
矛盾があります。

したがって、
日々を健やかに過ごすには、
歩く姿勢のみならず、
座る時の姿勢に
気を配らなければならないのです。

二本足歩行の便利さと厄介さを認めながらも、
ひとつしかない自分の身体ですから、
上手にバランスを考えながら、
故障なく、大事に使うべきなのでしょう。


四角顔たるみ顔の原因

ヒトが常時二足歩行をするようになって、
他の動物にはない特殊な能力を
備えることになったのですが、
プラス面とは逆に、
骨格的には、いくつかマイナス面が潜んでいました。

例えば、
脊椎が重力と直角に立つことによって、
頚椎(7個)、胸椎(12個)、腰椎(5個)が
だるま落としの積み木のように重なるため、
一番下の腰椎(特に第4、5腰椎)に負担がかかり、
腰痛の原因となります。

特に座って前かがみの姿勢で
長時間デスクワークをする、
最近問題になっている「歩きスマホ」のように、
うつむいた状態で歩くことで、
頚椎の生理的前湾角度※1が、
慢性的に歪んだ状態となり、
腰椎ばかりでなく頚椎の前湾角度まで歪み、
頭痛・首の痛み・肩こりといった症状に陥ります。

頚椎の前湾角度30度以下の状態を
ストレートネックといいます。※2

ストレートネックの端的な表現は、
猫背です。

背中が丸まり、首が前に突き出た猫背は、
立ち姿としての見栄え以上に、
首や肩のコリ、血行が悪くなることで、
頭部への血液や栄養分がいきづらくなり、
皮膚の新陳代謝が滞ってしまいます。

平均的な頭の重さは、5~6キロあり、
それが、きちんと頚椎に支えられることで、
胸椎や腰椎とバランスを取ります。

頭部への血流が悪くなると
代謝が悪くなり、
お肌の弾力を保つコラーゲンやエラスチンが減り、
目の周りのクマやくすみが目立つようになります。

姿勢よく頭部が頚椎に乗っている人より、
顔の皮膚や筋肉が、
重力に引っ張られて、
たるみの原因にもなります。

鏡を床に置き、
自分の顔を覗いてください。

姿勢を正して正面を向いている時の顔を比べると、
頬の肉やアゴ周りの肉が垂れ下がった状態で、
顔の輪郭が四角になっているように見えるはずです。

逆に天井に鏡をかざして
自分の顔を見ると、
アゴ周りはスッキリとして、
小顔になるのが分かります。

その差は歴然です。

地球の重力は、
かなり強力に顔の皮膚を
引っ張っているのです。

-重力と脊椎が上手に付き合うためには- へ続く

※1頚椎・胸椎・腰椎部の 24個の椎骨の理想的な位置関係や骨盤の傾斜角度。
※2正常な前湾角度は、30~40度。


ほうれん草の旬は冬

調理に欠かせない基本的な野菜は、
一年中スーパーや地元の八百屋さんの店頭に
並べられています。

ハウス栽培のお陰で、
四季を気にすることなく
トマトやきゅうりを食べられることは
台所を預かる人にとっては、
とてもありがたいものです。

ハウス栽培は、
野菜を作りやすく病気にもかかりにくいため、
農家の方にとっては、
生産計画が作りやすく、
安定した収入が計算できるという
メリットがあります。

その点、
露地栽培(屋根、おおいがない畑で育てられている)の野菜は、
天候に左右され、
予測不能な事態も想定しなければならないため大変です。

露地栽培の野菜は、
旬も短く、生産者にとっては扱いにくいのですが、
春夏秋冬の気候に合わせて成長するため、
栄養素という点では、
ハウス栽培の野菜に勝ります。

たとえば、
ほうれん草には、
ビタミンB1、B2、C、鉄、カルシウム、マグネシウム、
銅、マンガン、カロチンといった
多くの栄養素が含まれている野菜の優等生です。

鉄とその吸収を高めるビタミンCがセットで入っているので、
相乗効果が期待できます。

含まれているビタミンCを比較すると、
冬に栽培される露地ほうれん草は、
ハウス栽培の夏ほうれん草の
3倍にもなります。

ほうれん草には、
結石の原因となるシュウ酸が多く含まれている
と言われますが、
茎が柔らかくなるまで茹でて
水にされせば、除くことができます。

ほうれん草に含まれるカロチンは、
皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあるので
鍋料理の食材として加えれば、一挙両得です。

また、根元の赤い部分にはマンガンが含まれているので、
捨ててしまわずにできるだけ食べるようにしましょう。


春のクローバーを待つ

この季節になると、
公園の花壇は、来春の準備として、
チューリップの球根などが植え付けられ、
土色が目立っています。

グラウンドの芝生も枯れて
鮮やかな緑は来年までお預けです。

ところが河原の土手で、
寒さに耐えながらも
青々とした葉の茂みを
見つけることができます。

クローバーです。

シロツメグサとも言われるクローバーは、
耐寒性のある多年草で、
寒さに強く、常緑で冬越しします。

花期は5~9月ですから
さすがに花は見られませんが、
寒さが厳しい季節でも生き生きとして、
春の訪れとともにグングン殖え広がります。

もともとはヨーロッパ原産ですが、
今では世界中で栽培されています。

ミツバチにとっても大切な花で、
クローバーが咲いている時期に、
せっせと花蜜を集めている様子は、
かわいいですね。

クローバーの花は、
ハーブティーとして飲むことができます。

強壮効果があり、
シロツメクサ茶として販売されています。

また、葉は茹でて食べることもできます。

春先に出る若い葉を、
塩を一つまみ入れた熱湯で茹でたあと、
水にさらせば下ごしらえ完了です。

油炒めや胡麻和えにします。
花もさっと茹でれば、
三杯酢にしていただけます。

また、採りたての花と葉に直接衣をつけて、
天ぷらやかき揚げにしてもおいしいです。

周りが冬枯している時期なら
どこにクローバーが生えているか分かりやすいので、
チェックして、春を待つのも楽しいでしょう。


黄葉の薬用

2014年もあと1ヶ月を残すところとなりました。

街路樹のイチョウも、
すっかり色づき、
公園や歩道を黄色に染めています。

このイチョウという木は
生きた化石と呼ばれているシーラカンスと
同じくらい古くから地球上に存在している
木であることをご存知でしょうか?

イチョウは、
2億4千年前の中生代から
すでに繁栄していた植物です。

当時は、
10種類以上のイチョウが
地球上で大森林を形成していましたが、
中生代の末期の恐竜の絶滅と同じく、
多くのイチョウ科は絶滅し、
現在のイチョウ一種のみが、
中国に残りました。

宋代の中国では、
ギンナンの実が珍重されたことによって、
宮廷の庭や豪族の屋敷で好んで植えられ、
広まっていきます。

日本では遅くとも室町時代に、
中国から持ち込まれたイチョウが
各地の寺や神社に植えられていたようです。

ギンナンの木が大切にされたのは、
実が食用として珍重されたばかりではなく、
葉が、漢方の薬としても珍重されたからです。

現代でも欧米において、
脳血流を増大させる効果や、
記憶力の回復や痴呆症の治療に効果があると
注目されている植物でもあります。

イチョウは、
日本ではギンナンを茶碗蒸しや
炊き合わせの食材として利用しますが、
世界では、
イチョウ葉エキス製剤として
アルツハイマー痴呆症の治療などに
活用されている貴重な植物です。


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