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加齢と体内脂肪の増加

成長期が終了し、エネルギー代謝が安定した一般成人では、
おおむね一日に女性で1,200キロカロリー、男性では約1,500キロカロリー
が必要とされています。

自分の年齢、身長、体重に適合する基礎代謝量(筋肉運動を行わずに
休息した状態で、生命活動を維持するために消費するエネルギー)を
計算するには、少し複雑な計算が必要です。

計算が苦手という人のために、数値を入れるだけで基礎代謝量を
自動的に計算してくれるホームページがあります。

「年齢別 基礎礎代謝量 エネルギー所要量」
というキーワードでインターネット検索を行なえば、
見つけることができると思いますので、ぜひご確認下さい。

さて、加齢に伴い基礎代謝量は、減っていきます。

たとえば、
年齢が20歳、身長が150cm、体重が50kgの女性の場合、基礎代謝量は、1200キロカロリー
年齢が50歳、身長が150cm、体重が50kgの女性の場合、基礎代謝量は、1075キロカロリー
ということになります。

同じ身長と体重であっても、30歳の年齢差は、125キロカロリーの差になります。

ご飯の場合、100g≒およそ150キロカロリーです。

125キロカロリーは、こども茶碗に八分目のご飯と考えて良いでしょう。

年齢を重ねても同じ食生活を続けていたと仮定して、20歳と50歳を比較すると、
こども茶碗に八分目のご飯/一日が、余分ということになります。

この余分なカロリーは、どこに行くのでしょうか?

毎日コツコツと色々なカタチで体に蓄えられていきます。

二の腕や肝臓や下腹や…。

さて年齢差による基礎代謝量の減少にはどのような対策を考えましょうか?

ご飯を減らすか、少なくなっていく基礎代謝量を上げるために何か運動をするか?

ただ黙っているだけでは、カロリー貯金は増えるばかりです。


ミツバチを探偵する-その弐-

人間とミツバチの付き合いは大変古く、スペインのアラニア洞窟で
発見された新石器時代と推定される岩壁彫刻には、
梯子を使って洞穴にある巣からハチミツを採集する人の様子が
描かれています。

またギリシア神話に登場するアリスタイオスは、
養蜂の神として知られています。

日本におけるミツバチを利用したハチミツ採取の歴史も古く、
平安時代後期に編纂された今鏡には、藤原宗輔(むねすけ)という
蜂飼大臣(はちかいのおとど)についての記述が残っています。

さて、沖縄で飼育されているミツバチの話に戻りましょう。

沖縄産のプロポリスの起源植物として、ミツバチが選んだ植物は、
オオパギ(学名:Macaranga tanarius)でした。(※1)

奄美大島より南で見られる日本名:オオパギ(大葉木)は、
沖縄県ではいたるところに見られる植物で、
名前の通り大きな葉を持つ植物です。

沖縄産プロポリスの起源植物であるオオバギを分析した結果、オオバギの葉には、
高い抗酸化と抗菌活性を持つプレニルフラボノイドが含まれていることが
明らかになりました。(※2)

それ以前は、まったく注目されていなかった植物であるオオパギは、
ミツバチの抗菌成分を持つ植物を探偵する能力のおかげで、
人間が実用的に利用できる可能性を持つ植物として
認められるようになりました。

今後オオパギに含まれる機能性成分の有効利用が、期待されています。

※1:沖縄産プロポリスの起源植物オオバギの発見と素材化に向けた研究
(2010年12月 ISSN国際標準逐次刊行物番号 03882217)
※2:フラボノイドとは植物性食品にみられる代表的なポリフェノールで、
 プレニルフラボノイドには、がん細胞増殖抑制、抗酸化活性、抗菌活性などを
 有することが明らかになっています。


ミツバチを探偵する-その壱-

世界の各地で民間伝承薬として利用されているプロポリスには、
抗菌作用、抗ウィルス作用、抗炎症作用、抗腫瘍作用など
多くの薬理学的な効果があることが報告されています。

研究初期の段階では、プロポリスは巣の補強や修理の材料的な用途として
使われていると考えられていました。

しかし、雑菌の繁殖を抑える生化学的な用途としても
利用していることが明らかになってくると、
プロポリスは、にわかに健康食品の素材として見直されます。

プロポリスの主な成分は、樹脂や花粉、ろう質ですが、
世界各地の植生は同じではありません。

そこでセイヨウミツバチ(以下ミツバチ)は、自分たちが暮らす環境の中から
プロポリスを作るのに適した植物を探すことになります。

ミツバチがプロポリスの原料として集めてくる植物を
「起源植物」と呼びます。

代表的なプロポリスの起源植物は、
ポプラとパッカリス・ドラクンクリフォリアです。

ヨーロッパを中心に古くから利用されているプロポリスは、
ポプラが起源植物です。

ミツバチはポプラの新芽から出る粘性の高い樹液を集めて巣に持ち帰り、
ポリフェノールの一種で、強力な抗酸化作用を持つフラボノイドを
多く含むプロポリスを作ります。

一方、ブラジル南東部のミナス・ジエライス州一帯に生息しているミツバチは、
パッカリス・ドラクンクリフォリアを起源植物としています。

ブラジル産プロポリスに含まれる成分はフラボノイドではなく
桂皮酸誘導体やテルペノイドなどが多く含まれています。

ヨーロッパ産とブラジル産では、組成は大きく異なっていますが、
抗菌性という点では共通しています。

ミツバチたちは、自分たちを守る起源植物をそれぞれの生息域で
本能的に探し当てています。

日本に生息するミツバチもまた、プロポリスを作るための
起源植物を見つけています。

特に沖縄に棲むミツバチが利用している起源植物が
面白いことになっています。

-続く-


不思議な藻ヘマトコッカス!その成分はアスタキサンチン

ヘマトコッカス藻という、直径がわずか数十ミクロンの
藻があります。

珍しい藻の一種というわけではないのですが、劣悪な環境下によって
不思議な物質を作る性質を備えています。

その成分はアスタキサンチンと呼ばれています。

アスタキサンチンは、カロチノイド系の赤い色素で、サケやイクラ、
エビやカニの赤色の正体です。

太古から存在するヘマトコッカス藻は、ある自然条件下で、例えば
紫外線が強い雪山で、あるいは岩棚の雨水のたまり場のような
厳しい条件に曝(さら)されると、アスタキサンチンを生成して
赤色に変わります。

その後赤いヘマトコッカス藻は、雪解けや雨によって海に流れ込みます。

様々な種類の生き物が、アスタキサンチンを体内に取り込むために、
赤いヘマトコッカス藻を食べます。

例えば、サケの身の色は元々赤い色ではなく、
白身の魚がアスタキサンチンを溜め込んだ状態で赤く見えます。

アスタキサンチンは、川を遡上するときの大切なエネルギー源となります。

アスタキサンチンの赤い色はイクラにも引き継がれ、
卵を紫外線から守るために利用されています。

多くの生物が利用しているヘマトコッカス藻に含まれるアスタキサンチンには、
活性酸素による身体の酸化障害を抑える抗酸化作用があリます。

糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病、老化防止にも効果があると、
多くの研究で実証されています。

その抗酸化作用は、ビタミンEの約100倍、
人参などに含まれるべ一タカロテンの約10倍といわれています。

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花粉症と免疫力

寒い冬から暖かい春へと季節が変わることを知るニュースといえば、
梅の開花でしょう。

しかしそのニュースの終わりに花粉の飛散情報などが放送されると、
聞いただけでも鼻がムズムズして、「やれやれ」と憂鬱な気分になる人も
少なくないでしょう。

花粉症は、免疫力が低下したことによって、体内に侵入した異物に対する
過剰反応が引き金となって発症する病気です。

花粉症の人が花粉を吸うと、白血球の中にあるリンパ球のTヘルパー細胞が
花粉を敵とみなし、抗体を造って異物を体外へ出そうとします。

くしゃみや鼻水がでるのは抗体の働きの表れです。

したがって花粉に対する不要な抗体が造られなければ、
くしゃみや鼻水は出にくくなるわけです。

花粉症の基本対策は、まず免疫力を高めるということになります。

免疫力を高めるには、たんぱく質とたんぱく質の代謝に
欠かせない水溶性のビタミンB6を摂ることが大切です。

魚介類や肉類、豆類などに含まれるビタミンB6単独でも、
リンパ球の抗体製造を抑制する効果があると言われています。(※1)

また青魚の魚油には、花粉症の症状を緩和すると言われている
EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)も
多く含まれるため、免疫力を正常化する相乗効果が期待されます。

良質の食材を食べることで、花粉症を乗り切りましょう!

※1:岐阜市立女子短期大学研究紀要第55号(平成18年3月)
活性酸素によるマウスのリンパ球アポトーシスに及ぼすビタミンB6の影響

【やまだの青汁メモ】
やまだの青汁には、野菜などに含まれるビタミンB6をはじめB1、B2が
バランスよく調合されています。

たんぱく質は、1袋(3g)当たり0.44g(重量比:14.7%)含まれています。


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