プロセスチーズとナチュラルチーズの違いとは

アミノ酸やビタミンB2などを多く含むチーズは、
日々の健康を後押ししてくれる手頃な食材です。

日本でチーズといえば、
ほとんどがプロセスチーズです。

プロセスチーズは、
ナチュラルチーズを細かく砕いて、
高温でドロドロに溶かして殺菌し、
冷ましたチーズのことです。

スライスチーズや6Pチーズ用などの
型に詰めてパッケージングするため、
保存がしやすく携帯にも便利です。

メーカーによっては、
トマトやこしょうのエッセンスをブレンドしたり、
干しぶどうやナッツを加え、
様々な味にアレンジした商品を販売しています。

一方、ヨーロッパのチーズは、
ナチュラルチーズがほとんどです。

牛や山羊から搾った原料乳の水分を抜いて型に入れ、
乳酸菌やカビ菌で熟成させて、
加熱処理することなく、
消費者に提供します。

製法や熟成期間によって、
形や色が違うチーズとなるため、
その数は1000種類をこえると言われています。

ヨーロッパ各地の青空マーケットを覗くと、
大小様々なチーズが並べられている屋台が出て、
その土地柄、お国柄の味を楽しむことができます。

ナチュラルチーズは、
その種類の多さもさることながら、
チーズが熟成する過程も楽しめます。

しかし、
保存方法や扱い方には注意が必要です。

菌が生きているため、
冷蔵庫の中で保存していても、
熟成が進みます。

うっかり室内に置いておくと、
カマンベールチーズのようにドロドロになったり、
表面に乳脂が浮き出てくるものもあります。

プロセスチーズとナチュラルチーズに違いはあるものの、
骨粗しょう症の予防に不可欠なカルシウムを効果的に
摂ることができる食材です。

カルシウムが多いといわれる小魚では、
含有カルシウムのおよそ30%を消化吸収できますが、
チーズの場合、
50~60%を体内に吸収することが出来ます。


日本の芸「折り紙」

「なぜ旅に出るのか」
という問いに対して、
あまり深い意味をはめ込むのは、
堅苦しくもあり、興ざめするので、
風景を楽しむ、食を味わうというあたりで、
とどめておくのが気楽で良いと考えています。

プラスアルファの楽しみがあるとすれば、
旅先で、地元の人達とコミュニケーションできれば、
その旅が一味違って
意味深いものになるのかもしれません。

特に海外においては、
日本とは文化や風習、食も違うことがほとんどですから、
人との交流は、より印象深いものになります。

逆に地元の人にとっても、
異国から来た人たちの振る舞いや習慣が、
珍しければ、多少大げさかもしれませんが、
異文化の交流が行われるということになります。

日本文化は、
今世界中で高い評価を受けていますが、
折り紙もその一つです。

友人の一人に海外旅行をする際は、
必ず色紙を持参する人がいます。

彼曰く
「日頃、折り紙など折らないけれど、
海外の様々な国では、驚きの眼差しで喜ばれる」
ということです。

日本人にとって、
例えば「鶴の折り紙」を折ることは、
日常茶飯事のことです。

病気で入院中の知人を励ますため、
あるいは、
全国大会に出場するチームの必勝を祈願してなど、
暮らしに寄り添うように折り紙があります。

しかし、考えてみると、一枚の正方形の紙から
鶴の折りあげる工程は、驚くべき折りの技術と
立体感覚が必要です。

道行く人に「鶴の折り紙を作ってください」と訊ねれば、
かなりの高確率で作り上げるのではないでしょうか。

その技は、外国の人にとって見れば、
クールジャパンそのものかもしれません。

なかなか海外旅行ができるわけではありませんが、
次の旅では、折りを見つけ、
「折り紙」という日本の芸をお見せできれば、
多少なりとも文化交流になり、旅の思い出も
より深いものになるのではと考えています。


頭寒足熱を心がける

いよいよ秋も深まってきました。

ところが昼間はぐっと気温が上がり、
エアコンの冷房のスイッチを押したくなるような
気温の高さを感じます。

日が暮れ夜半になると、
今度は暖房のスイッチを押すといった
昼夜の温度変化に振り回される日がしばらく続きます。

季節の変わり目は体調を崩しがちですが、
特に秋から冬に移る時期は注意が必要です。

人の体温は、
血液の循環によって
体全体の温度が保たれています。

寒い時期には「頭寒足熱」を心がけましょうと
勧められます。

頭寒とは、頭部を冷やす、
足熱とは、足を暖めるということです。

ただ単に下半身を暖めれば良いということではありません。

下半身が必要以上に温まりすぎると、
脳は体の温度を下げなければならないと判断して
熱を冷まそうと誤認して汗を出してしまいます。

いわゆる「冷えのぼせ」です。

東洋医学において「頭熱足寒」、
いわゆる頭部が紅潮して、のぼせ感があり、
下半身は虚血で冷たい「冷えのぼせ」は、
多くの病気につながるといわれています。

逆に病気の予防と改善には、
「頭寒足熱」の状態にすることが良いということになります。

頭寒足熱の基本とは、
気温が低い時期に、
下半身と上半身の体温差を、
できるだけ小さくするということです。

平常であれば、人の体温は、
下半身は低く、上半身が高くなっています。

人間の体で最も体温が低い部分は、
足の小指です。

足の小指を触ってみて冷たく感じなければ、
頭寒足熱ということになります。

お風呂や湯たんぽなど、
外部から熱を与えることも効果的ですが、
血液の循環をよくすることが一番良い解決法です。

下半身の血液の流れを促進することで
頭寒足熱を保つようしましょう。

イスに座ったままでも
簡単に血流を促す運動はできます。

腰掛けた状態でひざを組み、
下の足のひざ頭で、
上の足のふくらはぎを
上下に動かすことで、
ふくらはぎを刺激できます。

足の血液は、
ふくらはぎの筋肉の収縮と弛緩によって
心臓へ戻っていきます。

いわゆる第2の心臓といわれる
ふくらはぎのマッサージは、
手軽に頭寒足熱を促す方法です。


日本語はわくわくの宝庫

日頃なにげなく使う、
どきどき、はらはらなどという言葉は、
総称して「オノマトペ」と分類することをご存知でしょうか?

声や音、動作や感情などを簡略的に表し、
情景をよりわかりやすく表現する言葉として使われるオノマトペは、
いつから使われ始めたか定かではありませんが、
もともと古代ギリシャ語が起源と言われ、
世界中で使われています。

日本では、
消防車のサイレンの音は
「ピーポーピーポー」ですが、
フランス語だと
「パーンポーンパーンポーン(Pin Pon Pin Pon)です。

フランスの時計の音は、
さすがに時計が外来の品ということで
「ティクタク(Tic Tac)」と日本の表現と似ていますが、
暮らしの中の音、
たとえば、
くしゃみは:「アチューム(Atchoum)」のように
ずいぶん違っています。

日本でニワトリの鳴き声である
「コケコッコウ」の発祥には
面白い逸話があります。

かつて明治維新以前には、
お国言葉と同様に、
各地で様々なニワトリの鳴き声があったそうです。

ところが、ある時期からこれが統一されます。

そのキッカケは、日清戦争です。

戦地へ赴く兵隊を全国から招集したところ、
各地の方言が障害となって、
上官のいうことを理解できないという事態になりました。

そこで当時の文部省が、
急務として標準語を作ることになりました。

1900年(明治33年)に国定教科書を作り、
この時作られた教科書に
ニワトリはコケコッコウと鳴きますと表しました。

コケコッコウという表現を
教科書に書いたため、
その後、コケコッコウが全国に広がっていきます。

では、同じ日本人なら皆、
同じように聞こえるのでしょうか?

日本に住んでいる日本人には「コケコッコウ」と聞こえても、
海外に移住した日系移民の子孫たちには
どう聞こえているのでしょうか。

ブラジルに移民した日系三世のお孫さんには、
「クィ クィ レクィ(qui qui requi)」と聞こえるのだそうです。

ご察しのとおり、
ブラジルの母国語であるポルトガル語の
オノマトペが馴染んでいるのです。

ちなみに
ニュージーランドのマオリ族の人には
ニワトリの鳴き声は「コケッコ(kokekko)」と
聞こえるそうで、たいへん興味深いです。

世界各国にオノマトペの言葉は存在します。

たとえば英語には
「デコボコ(bumpy)」、「キラキラ(twincle)」など
数百語があります。

しかし日本語は、他の言語と比べると非常に多く、
英語の5倍以上あるといわれています。

日本語は、
心象を様々なオノマトペを使って表すことができる
わくわくする言語といえるのではないでしょうか。


秋は炊き込みご飯

秋深まれば、
食欲とどまるところを知らず…。

秋に獲れる食材は、
調理されて食卓を賑わすと共に、
ご飯と一緒に炊き込むと、
いっそう美味しくいただけます。

いわゆる炊き込みご飯は、
塩やしょうゆで下味をつけ、
米と共に栗やキノコ、魚貝類などを加えて、
炊いたごはん料理です。

今では地方によって
様々な食材との組み合わせがある
炊き込みご飯ですが、
その歴史は、
奈良時代までさかのぼります。

炊き込みご飯は、
米の収穫がまだ十分でなかったころ、
米の量を節約するために、
色々な具を混ぜたことから始まります。

食事の量を増やすために用いれられた食材には、
あわや麦、ひえなどの雑穀、野草が
使われていたようです。

室町時代の頃になると、
料理の種類の一つとして、
食べられるようになります。

「変わり飯」と呼ばれるこの料理には、
くり、豆、野菜なども一緒に炊かれるようになりました。

様々な庶民文化が花開いた江戸時代では、
竹の子飯、えんどう飯、だいこん飯、ねぎ飯、
かき飯、かに飯、とり飯など種類が増え、
旬の食材をお米と一緒に炊きこんで、
味や季節感を楽しむ料理へと進化します。

アメリカやヨーロッパのように
小麦を主な穀物として食べている国々では、
バターライスやサフランライス、ピラフのように、
食材と混ぜあわせたお米料理は、
添え物として出されますが、
米が主食の日本では、
炊き込みご飯は、食卓の主役です。

少し贅沢して、
国産の松茸を使った炊き込みご飯を、
一年に一度は食べたいものです。