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リンパの流れとは?

風邪をひいてリンパが腫れた、
リンパの流れが悪くてムクミがとれないなど、
日頃からリンパという言葉を耳にする機会はありますが、
リンパとはどんなものでしょう。

リンパとは、
リンパ管、リンパ液、リンパ節の総称です。

リンパ管は、体全体を網の目のように張り巡らされています。

その管の中を流れる液体がリンパ液です。

わきの下や鎖骨にあるリンパ管の中継点がリンパ節です。

リンパの役割は、大きく2つに分けられます。

ひとつ目は、細菌などを退治し、
体を病気から守ることです。

リンパ液の成分の一つであるリンパ球は、
骨髄や脾臓でがつくられ、
血液に直接出て行くBリンパ球と
胸腺経由で侵入者に対峙する能力を持つ
Tリンパ球があります。

Tリンパ球には、
侵入者を攻撃するキラーTリンパ球と
侵入者の見張り役であるヘルパーTリンパ球があります。

リンパ管の中継地点であるリンパ節では、異物を取り除き、
ウィルスや細菌に対抗する免疫をつくる仕事も担っています。

ふたつ目は、
老廃物や疲労物質を回収する
下水道のような役割です。

流れが滞ることで、
代謝がスムーズに行なわければ、
肌のくすみやシミなどの原因となります。

というのもリンパ液は動脈を流れる血液のように、
心臓が果たすポンプの力を受けません。

その流れは、
動脈の血圧、筋肉収縮運動や呼吸運動など
によって左右されます。

リンパ液は、疲労やストレス、
その日の体調などに影響を受け、
流れなくなることもあります。

リンパ液の流れが滞れば、
むくみとなってあらわれます。

手を下に垂らすと、
手の甲に浮き出ている静脈は
太くはっきりと見えますが、
手を静かに挙げると、
浮き出た静脈は消えます。

液体である血液は、
重力によって指先から体の中心に向かって
流れたためです。

リンパ液の流れも同様です。

腕であれば、手を挙げることで、
リンパ液の流れを促すことはできますが、
足となるとそう簡単にはいきません。

そこで筋肉収縮運動によって
流れを促すことが大切になります。

いわゆる筋肉ポンプの活用です。

腕をしっかり振って歩くウォーキングが効果的ではありますが、
テーブルに座った状態でも可能です。

いわゆる貧乏ゆすりです。

あまりお行儀が良くないと思われがちな貧乏ゆすりは、
リンパの流れを促すという意味では、
大変効果があります。


血液の濃い薄いとは

「血は水よりも濃し」ということわざがあります。

他人よりも親や兄弟の結びつきが強いという例えです。

実際には、血液の濃い・薄いは遺伝的なお話ではなく、
血液が濃いとは、血液比重が重い(高い)という事です。

血液比重とは血液の濃さを表す数値のことで、
同じ体積の水の重さを1とした場合の血液の重さの比です。

血液の濃さは赤血球の数によって測られ、
赤血球の数が多く、赤血球の中のヘモグロビン濃度が高い人の血液ほど高くなり、
逆に赤血球の数が少なくヘモグロビン濃度の低い人の血液ほど低くなります。

赤血球は、全身に酸素を運ぶための大切な役割があるため、
血液の比重が低ければ、体内の組織が酸素欠乏に陥ります。

貧血は、血液中の赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリットが
正常値以下に減少した状態です。※1

比重不足が軽度であれば、
鉄分が多く含まれる食品を摂ることで改善されます。

鉄には、植物性食品や卵・乳製品に含まれる「非ヘム鉄」と
動物性食品に含まれる「ヘム鉄」の2種類があります。

非ヘム鉄は体への吸収率が低く、
ヘム鉄は体内への吸収率が高いという特徴があります。

鉄分を多く含む食品を多く摂取すれば良いというわけではなく、
タンパク質やビタミンCを多く含む食品と一緒に食べることで、
体内への吸収率が高まります。

栄養バランスのよい食事が大切ということになります。

一回の食事だけでたくさんの鉄分を摂取しても
必要量しか蓄積されませんので、続けて摂取する事が大事です。

ちなみに血液がサラサラである事と血液の比重が軽いことは、
全く関係ありません。

血液がサラサラとは、中性脂肪値が低いという意味です。

※1 日本赤十字社によると、日本人の血液比重の標準範囲は、男性では1.052~1.060、女性では1.049~1.056となっています。


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