酵素について考える

人は、加齢に伴い代謝が若いころと比べれば活発でなくなり、
その結果老化が始まります。
先日もお話したようにコラーゲンの代謝(体内の古いコラーゲンが
新しいコラーゲンと替わる)が衰えると、
肌のハリや血管の柔軟性がなくなります。

体内に存在する酵素においても同様です。

酵素は、食べたものを分解して体内に取り込む、
体内の老廃物を体の外に排出するといった重要な働きをしています。

アルコールを例にあげてみましょう。
皆さんが夕食の食前酒として飲んだワインの中に含まれている
アルコール成分は、まず、
アルコール脱水素酵素によって、アセトアルデヒドになります。
さらに、アセトアルデヒドは、
アセトアルデヒド脱水素酵素によって酢酸に分解されます。

この酵素が働くことで、翌日は酔いが覚めているということになります
(と言っても飲んだ量にもよりますが…)。
分解、吸収、排泄に関わる酵素の生産量が、加齢によって減少すれば、
「若い時は強かったのになぁ…」と頭を抑えながらの二日酔い…
ということになります。

では、お酒の分解酵素を摂ればよいかというと、
そう簡単ではありません。
酒の肴として食べたお刺身を分解するには、
タンパク質をアミノ酸に分解するプロテアーゼ、
お寿司のご飯粒を分解するには、デンプンをブドウ糖に分解するアミラーゼ、
チーズを分解するには、脂肪を脂肪酸に分解するリパーゼなど、
酵素の役割はひとつひとつ違います。

排泄できなかった栄養分は、
脂肪として筋肉の間や内臓に蓄積されます。
これが中年太りの正体です。
五大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラル。
腸内の環境を整える食物繊維。
健やかに歳を重ねるためには、
6つの栄養ボバランスを考えた食事に気をつけると共に、
その代謝に重要な役割を担う酵素についても
正しい理解をしておく必要がありますね。


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