黄葉の薬用

2014年もあと1ヶ月を残すところとなりました。

街路樹のイチョウも、
すっかり色づき、
公園や歩道を黄色に染めています。

このイチョウという木は
生きた化石と呼ばれているシーラカンスと
同じくらい古くから地球上に存在している
木であることをご存知でしょうか?

イチョウは、
2億4千年前の中生代から
すでに繁栄していた植物です。

当時は、
10種類以上のイチョウが
地球上で大森林を形成していましたが、
中生代の末期の恐竜の絶滅と同じく、
多くのイチョウ科は絶滅し、
現在のイチョウ一種のみが、
中国に残りました。

宋代の中国では、
ギンナンの実が珍重されたことによって、
宮廷の庭や豪族の屋敷で好んで植えられ、
広まっていきます。

日本では遅くとも室町時代に、
中国から持ち込まれたイチョウが
各地の寺や神社に植えられていたようです。

ギンナンの木が大切にされたのは、
実が食用として珍重されたばかりではなく、
葉が、漢方の薬としても珍重されたからです。

現代でも欧米において、
脳血流を増大させる効果や、
記憶力の回復や痴呆症の治療に効果があると
注目されている植物でもあります。

イチョウは、
日本ではギンナンを茶碗蒸しや
炊き合わせの食材として利用しますが、
世界では、
イチョウ葉エキス製剤として
アルツハイマー痴呆症の治療などに
活用されている貴重な植物です。


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