日本生まれの漢字

私たち日本人が、
共通して使う文字は、
ひらがな・カタカナ、そして漢字です。

漢字がいつ頃に生まれたかは
定かではありません。

漢字のルーツと言われているのは、
約3500年前の甲骨文字(こうこうつもじ)
とされています。

甲骨文字は、
占い結果を亀の甲羅や牛の骨に
記録したものです。

その後、後漢の時代(約1800年前)に、
大きさをそろえて一点一画を丁寧に書く
「楷書」が作られました。

これが、現在の漢字の標準と
なっています。

書類を書く際に
「楷書ではっきりとお書きください」という注意書きは、
よく見かけます。

漢字は、その後も次々と
中国からもたらされましたが、
漢字は、伝わった日本の中で進化し、
新しい漢字=国字が生まれました。

日本生まれの国字には、
「山の上り下りの場所=峠(とうげ)」
「上下そろえの衣=裃(かみしも)」
「美しい身だしなみ=躾(しつけ)」など、
日本人のくらしや文化が
そのまま新しい漢字になっています。

日々の生活に根ざしている
言葉である国字には、
見て楽しい文字も多くあります。

「車で雪をすべるので=轌(そり)」
「人が車をひく=俥(くるま:人力車)」
「毛を少なくする=毟る(むしる)」などなど、
かつて国字を作った知識人が、
文字の楽しさを
私たちに伝えるための遊び心も感じられます。

中国から伝えられた漢字は、
日本で新たな言葉として生まれ、
本家の中国へ里帰りした漢字も
少なくありません。

中国で1982年に出版された
「漢字外来語詞典」という辞書には、
歌舞伎、茶道をはじめ、
日本人が創り出した漢字が、
中国へと伝わった文字として
数多く収められています。


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