缶入り飲み物の遷り変り

今やスーパーあるいはコンビニエンスストアでも、
大きな面積を専有している飲料コーナーですが、
清涼飲料の普及は、
さほど古いお話ではありません。

1951年(昭和26年)清涼飲料の先駆けとなったのは、
びん詰めの100%オレンジ果実飲料でした。

1954年(昭和29年)には、
5 ~6倍程度に希釈された化粧びん詰めの
オレンジジュースが販売されるようになります。

この当時の清涼飲料は、
飲み終わるとガラスびんをお店に返却し、
再利用するリターナブル容器が主流でした。

1955年(昭和30年)には、
缶詰めのオレンジジュースが登場します。

使い切り容器の登場です。

これと呼応するように、
同じ年には自動販売機による
清涼飲料の販売も始まります。

1961年(昭和36年)になると、
コーラの原液輸入が自由化されたことで、
コーラ飲料が本格的に販売されると、
清涼飲料は、全国に普及するようになりました。

清涼飲料の種類も増え、
1969年(昭和44年)には、
世界初の缶コーヒーが登場します。

スポーツドリンクやウーロン茶や緑茶、
缶入りの牛乳や豆乳も登場するようになります。

様々な清涼飲料が登場する中、
容器も遷り変わります。

清涼飲料の容器が、
ガラスからスチール缶の替わり始める頃は、
穴を開けるための缶切りが、
フタ部分についていました。

ある程度年齢を重ね方は、
遠足のお昼ごはんの時などに、
缶に缶切りで穴を開け、
オレンジジュースを飲んだ記憶が
残っている方もいらっしゃるでしょう。

その後アルミ缶の登場によって、
飲み口が改良された
缶切りのいらないプルタブタイプ缶が登場し、
容量や形も多岐にわたるようになります。

さらに、1980年代(昭和55年)には、
缶のプルタブをポイ捨てする環境問題などから、
タブが外れないプルトップ方式に切り替わりました。

近年、缶入りの清涼飲料は、
ペットボトルに主役の座を明け渡しつつあります。

したがって平成生まれの子どもたちにとっては、
プルトップ集めや缶切りがセットされたタイプの缶は、
実際には見たことのない昭和の歴史ということになります。


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