生姜の旬を食する

中国から日本に伝わったといわれる生姜は、
奈良時代には薬用の目的で栽培されていました。

江戸時代になると、一般的な食材として食べられるようになります。

食べる部分は根茎の部分で、
仲間であるウコンやみょうがのように
独特の香りが特徴です。

香りを楽しむための香味として使われますが、
生姜の香り成分には、
殺菌の効果も期待できます。

刺し身の調味料として、すりおろし生姜を使うのは、
臭いを消すばかりでなく、殺菌の効果も兼ねています。

薬味としての香り食材という使用法ばかりでなく、
生姜の切り方を変えると、主食材として楽しむこともできます。

下ごしらえの時に、包丁のはらで押さえつけてつぶしておけば、
繊維質が多い生姜も柔らかく仕上がります。

生姜は、皮付きのほうが香りが強いですから、
表面の泥などを綺麗に落とした後に、
皮付きのまま細かく刻んで、炒め料理に使えば、
生姜の濃厚な風味を味わうことができます。

生姜の香りは熱を加える事で和らぎますので、
千切りにした生姜をてんぷらにすると
さわやかな香りだけでなく、香ばしさも楽しめます。

大阪で多くの人に愛されている紅しょうがの天ぷらは、
生姜をメインの食材として調理する一番のレシピかもしれません。

生姜の千切りを20gほど煮立たせた中に、
斜め輪切りにしたオクラを入れ、白だしで味を整えたあとに、
溶き卵を少しずつ入れて静かにかき回せば、
オクラの粘りで葛湯のようなトロミがついた
溶き卵がふんわりと踊る濃厚なスープになります。

もちろん、今が旬の新生姜を、薄くスライスし、
一晩甘酢に漬け込んでおけば、
ピンク色に染まった自然の紅しょうがとして美味しく食べられます。


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